ティーリング ウイスキー蒸留所(Teeling Whiskey Distillery)|アイルランド・ダブリンのアイリッシュウイスキー蒸留所

ティーリング ウイスキー蒸留所は、2015年にダブリン・リバティーズ地区の歴史的な醸造エリア「ニューマーケット」に誕生したアイルランドの蒸留所。125年以上ぶりにダブリン市内に復活した蒸留所として話題を集め、ジャック・ティーリングとスティーブン・ティーリングの兄弟が創業した。父のジョン・ティーリングは1987年にクーリー蒸留所を設立してアイリッシュウイスキー市場を再活性化させた人物で、その息子たちがダブリンの地でアイリッシュウイスキーの「都市型蒸留所」という新たな潮流を牽引している。

蒸留所はイタリア製の銅製ポットスチル3基と年間生産能力50万リットルを誇り、スモールバッチ・ランのシングルグレーン・シングルモルト・シングルポットスチルにくわえ、泥炭麦芽を使った個性派「ブラックピッツ」まで多彩なラインナップを展開。仕込み水には蒸留所地下に流れる伏流水を活用し、サステナビリティにも積極的に取り組む姿勢が国際的に評価されている(2022年アイコンズ・オブ・ウイスキー サステナブル蒸留所・オブ・ザ・イヤー受賞)。見学ツアーも人気が高く、ウイスキーテイスティング付きの多彩なコースが揃い、ダブリン観光のハイライトのひとつとなっている。

特徴

・2015年開業、125年以上ぶりにダブリン市内に誕生した蒸留所
・ジャック&スティーブン・ティーリング兄弟創業(父はクーリー蒸留所創設者ジョン・ティーリング)
・イタリア製銅製ポットスチル3基、年産約50万リットル
・2022年アイコンズ・オブ・ウイスキー「サステナブル蒸留所・オブ・ザ・イヤー」受賞
・公式見学ツアーあり(テイスティング付き、複数コース展開)
・2023年にBacardi Limitedが過半数株式を取得

歴史

ティーリング家のウイスキー醸造の歴史は1782年にさかのぼる。ウォルター・ティーリングがダブリンのマロウボーン・レーンに蒸留所を設立したのが始まりで、後にジェムソン家に売却されアイリッシュウイスキー産業の一翼を担った。しかし20世紀のアイルランド独立後の混乱やアメリカ禁酒法の影響でアイリッシュウイスキー産業は衰退し、ティーリング家の蒸留所も歴史に埋もれていった。

ティーリング家の復活は1987年から始まる。ジョン・ティーリングがクーリー蒸留所(カウンティ・ラウス)を設立し、アイリッシュ・ディスティラーズ(ペルノ・リカール傘下)の独占状態に挑戦した。息子のジャックとスティーブンはクーリーで経験を積み、2011年にBeam Inc.(現サントリー・グローバル・スピリッツ)へのクーリー売却に際して約16,000樽の熟成ウイスキーを確保。2012年にティーリング ウイスキーカンパニーを設立してボトリング販売を開始した。

2015年、ジャックとスティーブンはついにダブリン・リバティーズのニューマーケットに自社蒸留所を開設。125年以上ぶりにダブリン市内で稼働する蒸留所として大きな注目を集めた。その後もスモールバッチ・ランをはじめとする多彩なエクスプレッションで国際的な評価を獲得し、2017年にBacardi Limitedが40%の株式を取得。2022年には同社がさらに約4,480万ユーロを追加投資し、2023年12月にBacardiが過半数株主となった現在も、ジャックとスティーブン両兄弟が日常的な経営を主導している。

基本情報

正式名称 Teeling Whiskey Distillery
創業年 2015年
操業状況 稼働
所有会社 Bacardi Limited(バカルディ社)
見学 可能
公式サイト https://teelingdistillery.com/
Wikipedia Wikipedia
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蒸留所情報

蒸留器数 銅製ポットスチル3基(イタリア製)+コラムスチル
蒸留方式 トリプルディスティレーション(ポットスチル+コラムスチル)
水源 蒸留所地下の伏流水
年間生産量 約50万リットル/年
主力ジャンル ウイスキーアイリッシュウイスキー
主要ブランド ティーリング
【シングルモルト】ティーリング シングルモルト【シングルグレーン】ティーリング シングルグレーン【シングルポットスチル】ティーリング シングルポットスチル【スモールバッチ】ティーリング スモールバッチ(ラム樽フィニッシュ、46%、ノンチルフィルタード)【ピーテッド】ティーリング ブラックピッツ ピーテッド シングルモルト

代表銘柄

所在地

アイルランド
都道府県州 ダブリン
住所 13-17 Newmarket, The Liberties, Dublin 8
郵便番号 D08 KD91

この地域について

リフィー川が悠然と流れるダブリンは、アイルランドの首都であり、ヴァイキングが9世紀に築いた集落を起源に持つ千年以上の歴史を誇る都市です。テンプル・バー地区の石畳の路地、トリニティ・カレッジに収蔵される8世紀の彩色写本「ケルズの書」、そしてギネスビールを生んだセント・ジェームズ・ゲートなど、街のいたるところに重層的な歴史が刻まれています。

19世紀初頭、ダブリンには37もの蒸留所が操業し、リバティーズ地区はアイリッシュウイスキーの「黄金の三角地帯」として世界中に名を馳せていました。1887年にはアイルランドのウイスキーが世界市場の70%を占め、ロンドンで売れるウイスキーの3本に2本がアイリッシュだったとも伝えられています。その後の産業衰退を経て、1782年にウォルター・ティーリングが創業した由緒ある一族が、125年ぶりにダブリン市内へ蒸留所を復活させ、都市型蒸留の伝統を今に継承しています。

リフィー川に架かるハペニー橋や現代建築が融合するダブリンは、活気あるパブ文化と世界水準のウイスキーを同時に体験できる、アイルランドの玄関口にふさわしい都市です。

受賞歴

コンテストグレード銘柄
2025 SFWSC ダブルゴールド ティーリング シングルモルト アイリッシュウイスキー
2024 SFWSC ダブルゴールド ティーリング スモールバッチ アイリッシュウイスキーティーリング シングルポットスチル アイリッシュウイスキー
2021 WWA Category Winner ティーリング ブラックピッツ ピーテッド シングルモルト