高木酒造株式会社は、山形県村山市富並に蔵を構える1615年(元和元年)創業の老舗酒蔵。主力ブランド「十四代」は15代目蔵元杜氏・高木顕統が1990年代に確立した「芳醇旨口」スタイルで日本酒の概念を刷新し、現在では「最も入手困難な日本酒」の筆頭として全国の日本酒愛好家から熱狂的な支持を受けている。山田錦・愛山・龍の落とし子・酒未来など複数の個性的な酒米を使い分け、原料米ごとに異なる表情の純米大吟醸を展開する。
公式ウェブサイトを持たず、見学・試飲・直接販売は一切行わない完全非公開路線を貫く。二次流通市場での価格高騰が続き、正規取扱特約店のみでの限定流通という稀少性が伝説的な人気をさらに高めている。
高木顕統は東京農業大学で醸造学を学んだ後、家業を継ぎ15代目蔵元杜氏として革新的な酒造りに着手した。それまでの新潟的な淡麗辛口の流れに逆行する「芳醇旨口」路線を打ち出し、果実のような華やかな吟醸香と豊かな旨味を両立させた「十四代」で日本酒の新時代を切り開いた。
自社開発の酒米「酒未来」「龍の落とし子」は高木が新品種として育種・登録した独自品種で、これらの米から生まれる十四代はほかの蔵では絶対に再現できない唯一無二の個性を持つ。愛山や雄町といった希少米の使いこなしでも定評がある。
村山市富並の蔵は出羽三山と月山の清冽な伏流水に恵まれた立地にあり、厳しい冬の寒さが寒造りに適した環境を提供している。年間生産量は極めて限られ、正規特約店でも入荷は不定期かつ少量。この徹底した品質管理と限定流通が日本酒愛好家の間で「幻の酒」としての伝説的地位を確立している。