ストラスアイラ蒸留所はスコットランド・ハイランドの最も古い継続操業蒸留所として知られ、1786年にジョージ・テイラーとアレクサンダー・ミルンによってミルタウン蒸留所として創業された。スペイサイドの中心都市キースの旧市街に位置し、アイラ川(River Isla)のほとりという風光明媚な立地は、中世の建築様式を想わせるダブルポゴタ型の屋根とともに、スコットランドで最も絵になる蒸留所のひとつとして観光客にも愛されている。1950年、シーグラム社のジェームズ・バークレーがオークションで71,000ポンドで蒸留所を取得、その後シーグラムの子会社であるシーヴァス・ブラザーズがストラスアイラをチバス・リーガルのコーナーストーン(礎)として位置づけた。
現在はペルノ・リカール傘下のシーヴァス・ブラザーズが所有・運営しており、シングルモルトとしての出荷量は限られているものの、その原酒はチバス・リーガルをはじめとするプレミアムブレンデッドウイスキーの品質を支える重要な存在として欠かせない役割を担っている。蒸留所自体は開放的なビジターセンターを備え、スペイサイドの観光名所として年間を通じて多くの来訪者を迎えている。建物はスコットランドの伝統的な建築美を保持しており、石造りの建屋と緑豊かな庭園、水車が今も機能するなど、歴史の重みを肌で感じられる稀有なウイスキー観光スポットとなっている。
ストラスアイラの評価はシングルモルトとしてだけでなく、優れたブレンドの源泉としても高く、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)においていずれもゴールドを受賞している。ワイン・エンスージアスト誌もストラスアイラ12年を「過小評価された見逃せない逸品(an underrated and overlooked gem)」と評し、エレガントで格調高い個性を称えた。240年以上にわたる蒸留の歴史を持つスコットランド最古級の現役蒸留所として、スコッチウイスキーの歴史そのものを体現する存在であり、シングルモルト愛好家から初心者まで幅広い層に親しまれている。
テイスティングノート
香り
アップルタルト、洋ナシ、シナモン、バニラ、キャラメル。微かなナッツとオーク。甘くフルーティな第一印象。
味わい
モルトの甘さ、スルタナ(干しぶどう)、シナモン・ペストリー、オールスパイス、煮リンゴ。ミドルウエイトで円やか。
余韻
中程度の長さ。フルーティな甘さとわずかなスパイスが残る穏やかな余韻。