白玉醸造株式会社は1904年(明治37年)創業、鹿児島県肝属郡錦江町に本拠を置く芋焼酎蔵元です。大隅半島の最南端に位置し、本土最南端の本格焼酎蔵として知られています。創業以来120年にわたり、黒豚の郷・大隅の豊かな自然と伝統の技を守りながら、「白玉の露」「天誅」「元老院」などの定番銘柄を醸してきました。
そして1990年代初頭、現代表の玉利正彦氏が焼酎業界の将来を憂慮し、若者にも親しまれる新しい芋焼酎を目指して開発したのが伝説の銘柄「魔王」です。黄麹を使い、減圧蒸留法によって芋焼酎特有の重さを取り除き、白桃を思わせる華やかでフルーティーな香りを生み出すことに成功。「魔王」「村尾」「森伊蔵」と並ぶ「3M」と称される希少プレミアム芋焼酎として、入手困難な銘柄となっています。
「魔王」の名前は「天使を誘惑し、魔界へ最高の酒を届ける際についた名」に由来するとされ、そのユニークなネーミングとプレミアム芋焼酎としての品質が相まって全国的なブームを巻き起こした。黄麹と減圧蒸留の組み合わせは芋焼酎としては異例のアプローチで、従来の芋焼酎のイメージを覆す画期的な製品となった。
白玉醸造は「魔王」以外にも常圧蒸留の「白玉の露」や長期樫樽貯蔵の「天誅」、ブレンデッドの「元老院」など個性の異なる複数の銘柄を展開している。特に「白玉の露」は地元鹿児島で長年親しまれてきた蔵の原点とも言える銘柄で、素朴な芋の旨みが楽しめる。
蔵が位置する錦江町は鹿児島湾(錦江湾)の東岸に面し、対岸に開聞岳を望む風光明媚な土地だ。大隅半島のシラス台地から湧き出す良質な水と、温暖な気候で育つ鹿児島産のさつまいもが白玉醸造の焼酎造りを支えている。蔵の見学は受け付けていないが、地元の酒販店での購入は可能だ。