マルス津貫蒸溜所(Mars Tsunuki Distillery)|日本・鹿児島のジャパニーズウイスキー蒸留所

マルス津貫蒸溜所は、本坊酒造が2016年11月に鹿児島県南さつま市津貫に開設した本土最南端のウイスキー蒸溜所。津貫は本坊家の創業の地であり、1872年の酒造事業発祥の場所に蒸溜所を建設するという強い意味が込められている。鹿児島の温暖かつ多湿な亜熱帯性気候が、他の日本産蒸溜所とは一線を画す急速かつリッチな熟成をもたらしており、同じ熟成年数でも信州とは異なる表情を生み出す。

蒸留設備はポットスチル2基を三宅製作所(愛知)に発注して導入。酒質のコンセプトはマルス信州のクリーン&リッチとは対照的な「リッチ&ヘビー」で、ラムやシェリー系の豊かな甘みと充実したボディが特徴。また、地元薩摩半島のボタニカルを活用したクラフトジンの製造も行っており、ウイスキー以外の地域色あふれるスピリッツにも積極的に取り組んでいる。

「シングルモルト津貫」シリーズは毎年のエディションリリースとして国内外のファンの注目を集め、完売が続く人気銘柄となっている。長野・鹿児島の2拠点によるマルスウイスキーのダブルディスティラリーブレンドは独自の表現として市場に定着しており、地域を超えたジャパニーズウイスキーの可能性を広げる蒸溜所として高く評価されている。

特徴

鹿児島の温暖気候を活かした熟成。信州蒸溜所との2拠点でユニークなブレンドウイスキーを展開。「天使の分け前」が多い温暖環境での急速熟成が特徴。

歴史

本坊酒造は1949年に鹿児島でウイスキー製造を開始した老舗。1985年に信州蒸溜所を設立後も鹿児島での製造再開を模索し、2016年に創業の地・鹿児島に津貫蒸溜所を設立した。温暖な気候での熟成はエンジェルズシェアが多い一方、熟成スピードが速くフルーティーなニュアンスが生まれるとされる。

基本情報

正式名称 Mars Tsunuki Distillery
創業年 2016年
操業状況 稼働中
所有会社 本坊酒造株式会社
見学 可能
公式サイト https://www.hombo.co.jp/factory/tsunuki/
Wikipedia Wikipedia
SNS Instagram

蒸留所情報

蒸留器数 2基(ウォッシュスチル1基・スピリットスチル1基)
蒸留方式 ポットスチル(バッチ式)
モルト使用 モルテッドバーリー
水源 薩摩半島の伏流水
熟成倉庫 ダンネージ式
年間生産量 年間約3万L
使用樽 バーボン樽、シェリー樽など
主力ジャンル ウイスキージャパニーズウイスキー
主要ブランド マルスモルト ル・パピヨン津貫
マルスウイスキー
津貫

代表銘柄

所在地

日本
都道府県州 鹿児島県
住所 〒899-3611 鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
郵便番号 897-0213

この地域について

鹿児島県南さつま市は、薩摩半島の南西部に位置する市。東シナ海と吹上浜砂丘に面し、温暖な気候と豊かな自然が特徴。甑島列島への玄関口でもあり、農業・漁業が盛んな地域だ。旧加世田市・笠沙町・大浦町・坊津町・金峰町が合併して2005年に誕生した。

薩摩半島南西部は古くから海上交通の要所として機能し、江戸時代には島津藩の支藩・加世田郷として栄えた。芋焼酎の産地としても知られ、鹿児島全体に広がる芋焼酎文化の一端を担っている。年間を通じて温暖な気候は農作物にも恵みをもたらし、特にサツマイモは全国有数の生産量を誇る。

温暖で湿潤な薩摩の気候は、スコットランドや北日本とは異なる速い熟成ペースをウイスキー樽にもたらす。エンジェルズシェア(天使の分け前)が多い一方、熟成スピードの速さがフルーティーで豊かなフレーバーを生み出すとされる。2016年に本坊酒造が津貫蒸溜所を設立し、信州蒸溜所との対照的な2拠点体制でジャパニーズウイスキーの新たな可能性を追求している。