マノックモア蒸留所(Mannochmore Distillery)は、スコットランド北東部スペイサイド、エルギン近郊に位置する蒸留所である。1971年にDiageo(当時Scottish Malt Distillers)によって設立された比較的新しい蒸留所で、隣接するグレンロシー蒸留所と同一敷地内に建設された。両蒸留所はスタッフを共有しており、スペイサイドの蒸留所群の中でも独特の双子蒸留所として知られる存在だ。
マノックモア蒸留所(Mannochmore Distillery)|スコットランド・スペイサイドのスコッチウイスキー蒸留所
特徴
歴史
1971年、Diageo(当時Scottish Malt Distillers)がグレンロシー蒸留所の隣接地に新設した比較的新しい蒸留所。スペイサイドにおける需要拡大期に増産体制を整えるために建設された。
マノックモアは「ロッホデュー(Loch Dhu)」という黒いウイスキーを生産したことで一時期広く知られた。このウイスキーはチャコールフィルタリングを施した濃い黒色の外観が話題を呼んだが、品質面での評価が芳しくなく、当時のUDV(United Distillers & Vintners)が市場から回収・廃棄したという珍しい歴史を持つ。
現在はほとんどの原酒がJ&Bをはじめとするブレンデッドスコッチの構成原酒として使用され、シングルモルトとしてはDiageoの「Flora & Fauna」シリーズの12年ものが代表的な公式ボトリングとなっている。
基本情報
| 正式名称 | Mannochmore Distillery |
|---|---|
| 創業年 | 1971年 |
| 操業状況 | 稼働中 |
| 所有会社 | Diageo |
| 見学 | 不可能 |
| 公式サイト | https://www.malts.com/en-gb/distilleries/mannochmore/ |
蒸留所情報
| 蒸留方式 | ポットスチル蒸留 |
|---|---|
| モルト使用 | アンピーテッドモルト |
| 主力ジャンル | ウイスキー、スコッチウイスキー |
| 主要ブランド | マノックモア |
代表銘柄
所在地
| 国 | イギリス |
|---|---|
| 都道府県州 | スペイサイド |
| 住所 | Mannochmore, Elgin IV30 8SS, UK |
この地域について
エルギンはスコットランド北東部モレー地方の中心都市であり、スペイ川の支流ラスゴー川沿いに広がる歴史ある町である。13世紀に建設されたエルギン大聖堂はスコットランド有数の中世建築遺産として知られ、「スコットランドの麗玉」と称される荘厳な廃墟がいまも町のシンボルとなっている。農業と漁業が盛んなモレー地方の玄関口として機能し、豊かな穀倉地帯が広がるこの一帯は古くからウイスキー生産に欠かせない大麦の産地でもある。
スペイサイド最大の都市であるエルギンの周辺には、数多くの蒸留所が集中している。特にエルギン南方の丘陵地帯にはグレンロシーやマノックモア、スペイバーンなどの蒸留所が点在し、清澄な地下水と豊富な大麦原料を活かしたウイスキー生産が続く。スペイサイド・ウイスキー・トレイルの中継点として、世界中からウイスキーファンが訪れる地域である。
モレー地方の気候は大西洋の影響を受けつつも比較的温暖で、ウイスキーの熟成環境として優れている。エルギン周辺の蒸留所で生産された原酒は、Diageoをはじめとする大手ブレンダーのウイスキーに幅広く使用されており、スコッチウイスキー産業の縁の下を支える重要な生産地帯を形成している。