キルオーウェン蒸留所(Killowen Distillery)|北アイルランド・ダウンのアイリッシュウイスキー蒸留所

キルオーウェン蒸留所(Killowen Distillery)は、北アイルランド・ダウン州ロストレバーのモーン山麓に位置するアイリッシュウイスキー蒸留所です。建築家のブレンダン・カーティが2019年に設立した小規模クラフト蒸留所で、古来のアイリッシュ蒸留の伝統を現代に蘇らせることをコンセプトとしています。

炎で直接加熱するポットスチルとウォームタブ(蛇管)冷却器を組み合わせた生産設備はアイルランドでここだけ。収穫した雨水を仕込み水とし、ダブル蒸留で年間約50樽を生産するアイルランド最小規模の蒸留所のひとつです。希少なシングルカスクリリース「ボンデッド・エクスペリメンタル・シリーズ」が世界の愛好家から高い評価を受けています。

特徴

アイルランドで唯一、すべてのスチルを直火加熱+ウォームタブで冷却。年間約50樽と国内最小規模クラス。収穫した雨水を使用。19世紀以前のアイリッシュ蒸留法を復活させたクラフト蒸留所。ボンデッド・エクスペリメンタル・シリーズのシングルカスクが世界的に高評価。

歴史

建築家のブレンダン・カーティがオーストラリア滞在中にタスマニアのベルグローブ蒸留所を訪れ、古来のアイルランド式蒸留に触発されて帰国後に設立。2019年にダウン州ロストレバーのモーン山麓でアイルランド24番目の蒸留所として操業開始。直火加熱・ウォームタブという19世紀以前の設備で、多様な穀物(大麦・オーツ麦)とカスクを組み合わせた独自のアイリッシュポットスティルを生産している。

基本情報

正式名称 Killowen Distillery
創業年 2019年
操業状況 稼働中
所有会社 Brendan Carty(ブレンダン・カーティ)
見学 要予約
公式サイト https://www.killowendistillery.com
SNS InstagramFacebook

蒸留所情報

蒸留器数 ポットスチル3基(Christoir 1,000L、Broc 800L、Brid 800L)すべて直火加熱・ウォームタブ使用
蒸留方式 ポットスチル蒸留(ダブル蒸留・直火加熱・ウォームタブ冷却)
モルト使用 モルテッドバーリー、アンモルテッドバーリー、オーツ麦、ピーテッドモルト
水源 現地で収穫した雨水(山岩でろ過)
熟成倉庫 ダンナージ式ウェアハウス(オンサイト)
年間生産量 年間約50樽
使用樽 バーボン樽(ホグスヘッド、ファーキン)、PXシェリー樽、オロロソシェリー樽、ラム樽、カベルネ・ソーヴィニヨン樽ほか
主力ジャンル ウイスキーアイリッシュウイスキー
主要ブランド キルオーウェン
Killowen Barántúil(キルオーウェン・バランチュール)

代表銘柄

所在地

イギリス
都道府県州 ダウン州
住所 29 Kilfeaghan Road, Killowen, Rostrevor, Co. Down, Northern Ireland
郵便番号 BT34 3AW

この地域について

ダウン県は北アイルランドの東部に位置し、「モーン山脈が海に向かって流れ落ちる」という詩句で世界に知られる雄大な景観を持ちます。モーン山脈の最高峰スリーブ・ドナード(849m)は北アイルランド最高峰であり、花崗岩の峰々はストランフォード湖まで続く緑の丘陵地帯へと溶け込んでいきます。ラムサール条約に指定されたストランフォード湖は約365の島と無数の干潟を擁する自然の宝庫で、アザラシやウミワシなど希少な野生生物の楽園となっています。

信仰の面では、ダウンパトリックがアイルランドの守護聖人・聖パトリックと深く結びついています。432年に上陸したとされるストランフォード湖岸から宣教を始め、ダウン大聖堂のそばに眠るとされる聖パトリックの墓は今も巡礼者が絶えません。

この歴史と自然に恵まれたダウン県はウイスキー産業でも注目を集めており、ヒンチ蒸留所・コープランド蒸留所・キルオーウェン蒸留所・エクリンビル蒸留所という複数の蒸留所が集積。北アイルランドを代表するウイスキー産地として急速に存在感を高めています。