磯自慢酒造は静岡県焼津市に位置する、天保元年(1830年)創業の老舗蔵元。吟醸酒造りの先駆者として知られ、南アルプス・間ノ岳を源とする大井川の超軟水を仕込み水に用いた繊細で華やかな酒質が特徴。
2008年洞爺湖G8サミット・2016年伊勢志摩G7サミットの公式日本酒として選ばれ、世界の首脳に供された。「これが日本酒の最高峰」と称される磯自慢は、入手困難ながら静岡を代表するブランドとして国際的な評価を確立している。
磯自慢酒造の酒質設計は「水のごとく透明感のある味わい」を理想とし、極限まで雑味を排除した繊細な吟醸造りを貫いている。蔵の規模は年間生産量約700石と小さいが、その分すべての工程を手作業で徹底管理する体制が品質の源泉となっている。
酒米は山田錦を中心に、東条産・吉川産など特A地区の最高品質の原料米を厳選。自家精米で35%まで磨き上げた大吟醸は、白い花や洋梨を思わせる上品な香りと、驚くほど透明感のある味わいが調和する。
焼津港が至近にある立地から、新鮮な駿河湾の海の幸との相性は抜群。特に白身魚の刺身や桜えびとの組み合わせは地元ならではの至福のマリアージュとして知られている。2006年にはIWC(International Wine Challenge)Sake部門でチャンピオンを獲得し、世界にその名を轟かせた。
蔵元の多田信男杜氏は能登杜氏の系譜に連なり、静岡県の温暖な気候に適した独自の醸造技術を確立した。蔵内は常に清潔に保たれ、醸造設備には最新のテクノロジーも取り入れながら手作業の精密さを損なわない体制を構築している。