ハイラム・ウォーカー&サンズ蒸留所(Hiram Walker & Sons Distillery)|カナダ・オンタリオのカナディアンウイスキー蒸留所

ハイラム・ウォーカー&サンズ蒸留所は、1858年にアメリカ人実業家ハイラム・ウォーカーがカナダ・オンタリオ州ウィンザーに設立した、北米最大規模のウイスキー蒸留所である。デトロイト川を挟んでアメリカ・ミシガン州デトロイトと向かい合うこの地に、ウォーカーは製粉所・農場・蒸留所を組み合わせた巨大な食品産業複合体を建設し、その周囲に形成された企業城下町は「ウォーカービル」と名付けられた。

現在はペルノ・リカール傘下のコービー・スピリット・アンド・ワイン(J.P.ワイザーズ等)とサントリーグローバルスピリッツ(カナディアンクラブ)が施設を共同利用する形態を取っており、年間生産能力は約4,500万リットルと北米最大を誇る。敷地内には1858年当時の赤レンガ建築が今も残り、カナダウイスキー産業遺産の象徴的存在となっている。

特徴

北米最大規模のウイスキー蒸留所。カナダ最古の大型蒸留所の一つ。ウォーカービルという企業城下町を形成した歴史的施設。従業員約450名。

歴史

1858年、アメリカ・デトロイト出身の実業家ハイラム・ウォーカーが当時禁酒運動が盛んなアメリカを避け、デトロイト川対岸のカナダ側に製粉所・農場・蒸留所を統合した複合施設を建設。周囲に形成された街は「ウォーカービル」と名付けられた。

1893年、カナダ政府の要請で製品名に「Canadian」を冠することが義務付けられ、「Canadian Club Whisky」として正式登録。軽やかな飲み口が当時のアメリカ市場で人気を博し、ホワイトハウスでも愛飲されたと伝えられる。

1926年にウォーカー家がハリー・ハッチに1,500万ドルで売却後、数度のオーナー変更を経て現在はペルノ・リカール傘下のコービー・スピリット・アンド・ワインとサントリーグローバルスピリッツ(カナディアンクラブ部門)が施設を共用する形態を取っている。

基本情報

正式名称 Hiram Walker & Sons Distillery
創業年 1858年
操業状況 稼働中
所有会社 コービー・スピリット・アンド・ワイン(ペルノ・リカール傘下)/ サントリーグローバルスピリッツ(Canadian Club部門)
見学 不明
公式サイト https://corby.ca/en/hiram-walker/
Wikipedia Wikipedia

蒸留所情報

蒸留器数 コラムスチル・ポットスチル・レクティフィケーションスチル複数(詳細非公開)
蒸留方式 連続式蒸留(コラムスチル)・単式蒸留(ポットスチル)併用
モルト使用 コーン・ライ麦・モルトバーレー
水源 デトロイト川(Detroit River)
熟成倉庫 多段式熟成庫
年間生産量 年間約4,500万L(北米最大)
使用樽 ホワイトオーク樽(バーボン樽)、シェリー樽、ポートワイン樽
主力ジャンル ウイスキーカナディアンウイスキー
主要ブランド パイク・クリークJ.P.ワイザーズロット No.40カナディアンクラブ
Canadian Club
J.P. Wiser's
Lot No. 40
Pike Creek
Gibson's
Lamb's Rum
Polar Ice Vodka

代表銘柄

所在地

カナダ
都道府県州 オンタリオ州
住所 2072 Riverside Drive East, Windsor, Ontario, Canada
郵便番号 N8Y 4S5

この地域について

ウィンザーはカナダ・オンタリオ州南西端に位置し、デトロイト川を挟んでアメリカ・ミシガン州デトロイトと向かい合う国際都市である。カナダの主要都市の中でも最も南に位置し、温和な気候と豊かな農業地帯に恵まれた地域だ。

19世紀後半から自動車産業と製造業が集積し、フォード・モーターやクライスラーの工場が立地したことで「カナダのデトロイト」とも呼ばれる工業都市として発展。デトロイト川を挟む両都市圏はアンバサダー・ブリッジとデトロイト・ウィンザートンネルで連結され、一体的な経済圏を形成している。

この地にハイラム・ウォーカーが1858年にウイスキー蒸留所を建設したことで、ウォーカービルという企業城下町が誕生。デトロイト川沿いの豊富な水資源と、オンタリオ州の広大な穀倉地帯へのアクセスが、カナダウイスキー産業の中心地としての発展を支えた。