グレンバーギー蒸留所(Glenburgie Distillery)|スコットランド・スペイサイドのスコッチウイスキー蒸留所

グレンバーギー蒸留所(Glenburgie Distillery)は、スコットランド・スペイサイド西端のForres近郊に位置する蒸留所だ。1810年にKilnflat蒸留所として創業し、1870年にGlenburgie蒸留所と改称された。現在はChivas Brothers(Pernod Ricard)の傘下として、Ballantine’sをはじめとする世界最高級のブレンデッドスコッチの核心原酒を担う最重要蒸留所の一つである。

公式ボトリングが極めて少なく、主に独立瓶詰め業者(インデペンデント・ボトラー)経由での表現が知られる希少性の高い蒸留所だ。その希少性と高品質な原酒が愛好家から高い評価を受けており、スペイサイドモルトの中でも玄人好みの一本として世界中のコレクターに珍重されている。

特徴

Ballantine's 30年などの最高級ブレンデッドスコッチの核心原酒として知られ、公式ボトリングが極めて少ない幻の蒸留所。スペイサイド西端のForres近郊に位置し、フルーティーかつ清潔感のある上品なシングルモルトを生み出す。

歴史

1810年Kilnflat蒸留所として創業、1870年にGlenburgie蒸留所と改称。スペイサイド西端のForres近郊に位置する。

Ballantine’s 30年などの最高級ブレンドの核心原酒として知られ、Chivas Brothers(旧Allied Domecq)にとって最重要の蒸留所のひとつ。

公式ボトリングが極めて少なく、独立瓶詰め業者経由の表現が珍重されるが、その希少性がかえって高い評価につながっている。

基本情報

正式名称 Glenburgie Distillery
創業年 1810年
操業状況 稼働中
所有会社 Chivas Brothers (Pernod Ricard)
見学 不可能

蒸留所情報

蒸留器数 ポットスチル4基
蒸留方式 ポットスチル(シングルモルト)
モルト使用 ピーテッド・アンピーテッド
水源 Loch of Blairs
熟成倉庫 ダンネージ式・ラック式
年間生産量 約380万リットル/年
使用樽 アメリカンオーク(エックス・バーボン)、ホグスヘッド
主力ジャンル ウイスキースコッチウイスキー
主要ブランド グレンバーギー

代表銘柄

所在地

イギリス
都道府県州 スコットランド
住所 Glenburgie, Forres IV36 2QY, UK
郵便番号 IV36 2QY

この地域について

スコットランド北東部、インヴァネスとアバディーンの間に横たわるスペイサイドは、全長172kmのスペイ川が灌漑する豊かな農業地帯だ。源流をモナドリアス山地のロッホ・スペイ(標高約300m)に持つスペイ川は、スコットランド第3の長さを誇り最も流れの速い川の一つで、ケアンゴームズ国立公園を抜けてモーレイ・ファース(Moray Firth)へと注ぐ。川が育む軟水とミネラルバランス、周辺農地の良質な大麦、ケアンゴームの泥炭——この三拍子が世界最高密度のウイスキー産地を形成した背景にある。スペイ川はまた「スペイキャスト」と呼ばれる独自のフライフィッシング技法の発祥地として知られ、サーモン釣りを求める世界中のアングラーを引き付ける英国随一の鮭川でもある。

1823年の消費税法(Excise Act)成立が密造横行の時代に終止符を打ち、翌1824年にジョージ・スミスがグレン・リヴェット渓谷で最初の合法免許を取得。モダン・スコッチ産業の礎を築いた。19世紀後半にグレート・ノース鉄道がスペイサイドに開通すると大麦・石炭・樽の輸送が一気に整い、各地で蒸留所創業ラッシュが起きた。現在も稼働する蒸留所はストラスアイラ(1786年創業・スコットランド最古の連続稼働蒸留所)からダフタウン、アベラワー、クレイゲラキまで50以上が密集し、2009年のスコッチウイスキー規則でスペイサイドが独立産地として正式認定された。

スペイ川岸に建つ16世紀のバリンダロッホ城(Ballindalloch Castle)はマクファーソン=グラント家が数百年にわたり居住し続ける生きた史跡だ。全長116kmのスペイサイド・ウェイはモーレイ湾の港町バッキーからケアンゴームズの奥地まで続くロング・ディスタンス・ウォーキングルートで、沿道には蒸留所見学スポットが点在する。英国唯一の現役樽職人工房スペイサイド・クーパレッジや7蒸留所を巡るモルトウイスキー・トレイル(全長99km)は、毎年5月に開催される「スピリット・オブ・スペイサイド・ウイスキー・フェスティバル」と合わせて54カ国以上のウイスキーファンを呼び込む。

現在スコットランド全体のシングルモルトの約50〜60%がスペイサイド産であり、世界で最も売れる2大シングルモルト——グレンリベットとグレンフィディック——がともにこの地に根を持つことが、スペイサイドを「ウイスキーの聖地」たらしめている。