グレングラント蒸留所(The Glen Grant Distillery)|スコットランド・スペイサイドのスコッチウイスキー蒸留所

グレングラント蒸留所は、1840年にジョンとジェームズ・グラント兄弟によってスペイサイドのロシーズに創設された歴史ある蒸留所だ。現在はCampari Groupが所有し、年産590万Lを誇るスペイサイド最大級の蒸留所の一つとして稼働している。独自のピューリファイアー付き細身スチルがフルーティーで軽快なスタイルを生み出し、特にイタリア市場でシングルモルトスコッチの代名詞的存在となっている。

敷地内にはヴィクトリア朝式の庭園が広がり、世界各地から収集した植物が植えられている。1861年にはスコットランドの蒸留所として初めて電灯を導入した革新的な蒸留所としても知られ、伝統と革新を兼ね備えたスペイサイドの名門蒸留所として世界中で評価されている。

特徴

ピューリファイアー付きの背の高い細身スチルが特徴的なフルーティー&ライトなスタイル。1861年スコットランド蒸留所初の電灯導入。ヴィクトリア朝式庭園を併設。イタリアでシングルモルト最大のシェアを誇る。

歴史

グレングラント蒸留所は、かつて密造者であった兄弟ジョンとジェームズ・グラントが1840年にスペイサイドのロシーズに創設した。設立当初から技術革新に積極的で、1861年にはスコットランドの蒸留所として初めて電灯を導入したことで知られる。


2代目のジェームズ「メジャー」グラントは独自の背の高い細身のポットスチルとピューリファイアーを考案し、グレングラント特有のフルーティーかつ軽快なスタイルを確立した。メジャーはまた蒸留所敷地内にヴィクトリア朝式庭園を造営し、世界各地から収集したエキゾチックな植物を植えた(現在も公開)。


1960年代にアルマンド・ジョヴィネッティがイタリア市場への輸出を開拓し、グレングラントはイタリアで最も売れるシングルモルトとなった。1977年にSeagram、2000年にChivas Brothers(Pernod Ricard)を経て、2006年にCampari Groupが買収。現在も年産590万Lを誇るスペイサイド最大級の蒸留所の一つ。

基本情報

正式名称 The Glen Grant Distillery
創業年 1840年
操業状況 稼働中
所有会社 Campari Group
見学 可能
公式サイト https://www.theglengrant.com/
Wikipedia Wikipedia
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蒸留所情報

蒸留器数 8基(ウォッシュスチル4基・スピリットスチル4基)
蒸留方式 ポットスチル(2回蒸留)
モルト使用 無泥炭モルテッドバーリー
水源 グレングラント・バーン
熟成倉庫 ダンネージ式(オンサイト7棟)
年間生産量 年間約590万L
使用樽 バーボン樽(主体)、シェリー樽
主力ジャンル ウイスキースコッチウイスキー
主要ブランド グレングラント
The Glen Grant 10
The Glen Grant 12
The Glen Grant 18
The Glen Grant Arboralis

代表銘柄

所在地

イギリス
都道府県州 スペイサイド
住所 Elgin Road, Rothes, Morayshire, AB38 7BS, Scotland, UK
郵便番号 AB38 7BS

この地域について

スコットランド北東部、インヴァネスとアバディーンの間に横たわるスペイサイドは、全長172kmのスペイ川が灌漑する豊かな農業地帯だ。源流をモナドリアス山地のロッホ・スペイ(標高約300m)に持つスペイ川は、スコットランド第3の長さを誇り最も流れの速い川の一つで、ケアンゴームズ国立公園を抜けてモーレイ・ファース(Moray Firth)へと注ぐ。川が育む軟水とミネラルバランス、周辺農地の良質な大麦、ケアンゴームの泥炭——この三拍子が世界最高密度のウイスキー産地を形成した背景にある。スペイ川はまた「スペイキャスト」と呼ばれる独自のフライフィッシング技法の発祥地として知られ、サーモン釣りを求める世界中のアングラーを引き付ける英国随一の鮭川でもある。

1823年の消費税法(Excise Act)成立が密造横行の時代に終止符を打ち、翌1824年にジョージ・スミスがグレン・リヴェット渓谷で最初の合法免許を取得。モダン・スコッチ産業の礎を築いた。19世紀後半にグレート・ノース鉄道がスペイサイドに開通すると大麦・石炭・樽の輸送が一気に整い、各地で蒸留所創業ラッシュが起きた。現在も稼働する蒸留所はストラスアイラ(1786年創業・スコットランド最古の連続稼働蒸留所)からダフタウン、アベラワー、クレイゲラキまで50以上が密集し、2009年のスコッチウイスキー規則でスペイサイドが独立産地として正式認定された。

スペイ川岸に建つ16世紀のバリンダロッホ城(Ballindalloch Castle)はマクファーソン=グラント家が数百年にわたり居住し続ける生きた史跡だ。全長116kmのスペイサイド・ウェイはモーレイ湾の港町バッキーからケアンゴームズの奥地まで続くロング・ディスタンス・ウォーキングルートで、沿道には蒸留所見学スポットが点在する。英国唯一の現役樽職人工房スペイサイド・クーパレッジや7蒸留所を巡るモルトウイスキー・トレイル(全長99km)は、毎年5月に開催される「スピリット・オブ・スペイサイド・ウイスキー・フェスティバル」と合わせて54カ国以上のウイスキーファンを呼び込む。

現在スコットランド全体のシングルモルトの約50〜60%がスペイサイド産であり、世界で最も売れる2大シングルモルト——グレンリベットとグレンフィディック——がともにこの地に根を持つことが、スペイサイドを「ウイスキーの聖地」たらしめている。

受賞歴

コンテストグレード銘柄
2025 TWSC 金賞 グレングラント 12年
2024 SFWSC ダブルゴールド グレングラント 18年