イーガン・ウイスキー・カンパニー(P. & H. Egan (Tullamore) Ltd.)|アイルランド・オファリーのアイリッシュウイスキーボンダー

Egan's Irish Whiskey - Fortitude bottle against the historic 1852 Egan building in Tullamore

イーガン・ウイスキー・カンパニー(P. & H. Egan (Tullamore) Ltd.)は、1852年にパトリック・イーガンとその兄弟ヘンリーがアイルランド・オファリー州タラモアに設立した老舗の酒類商社を起源とする、アイリッシュウイスキーのボンダー(熟成・ブレンド専門業者)である。かつては卸売・ボトリング・モルト製造・醸造など多岐にわたる事業を展開し、アイルランド有数の商業企業として栄えたが、1968年に一時清算された。

その後、創業家イーガン家の直系子孫であるジョナサン・ルパート・モーリス・イーガン兄弟によってブランドが復活。自社蒸留設備は持たず、厳選した熟成原酒のボンディング(バッティング・熟成管理)によってコンヴィクション、エンデヴァーなど個性豊かなシングルモルト・シングルポットスチルウイスキーを生み出している。本拠地はタラモアのクロンミンチ・ロードに置く。

特徴

1852年創業のP.&H.エガンを起源とする6世代続くアイリッシュウイスキーブランド。自社蒸留所を持たないNDP(ノン・ディスティラリー・プロデューサー)として、アイルランド全土から原酒を調達・熟成・ブレンド・ボトリング。カスクフィニッシングと丁寧なバッチングに強みを持ち、World Whiskies Award受賞歴もある。

歴史

1852年、パトリック・エガン・シニアが2人の息子(パトリックJr.とヘンリー)の名を取り、タラモアにP.&H.エガン社を設立。農業機器・食料品・麦芽などを扱う総合商社として発展し、1883年にはタラモア醸造所が50名を雇用、日産30〜40バレルのエールを生産。1886年に新倉庫、1888年に5,000トン規模のモルティングを建設。1968年に自主清算。その後、5代目ジョナサン・エガンと6代目モーリス・エガンがブランドを復活させ、2013年に再始動。2015年に米国でローンチ。

基本情報

正式名称 P. & H. Egan (Tullamore) Ltd.
創業年 1852年
操業状況 稼働
所有会社 イーガン家(Egan Family)
見学 可能
公式サイト https://www.eganswhiskey.com/
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蒸留所情報

蒸留器数 なし(自社蒸留設備なし・ボンダー)
蒸留方式 NDP(ノン・ディスティラリー・プロデューサー)
使用樽 バーボン樽、シェリー(オロロソ)樽、XOコニャック樽、バージンアメリカンオーク、インペリアルスタウト樽、モスカテル・デ・バレンシア樽
平均熟成年数 10年以上(銘柄による)
主力ジャンル ウイスキーアイリッシュウイスキー
主要ブランド イーガンズ
コンヴィクション(Conviction)、エンデヴァー(Endeavour)、ヴィンテージグレーン(Vintage Grain)、フォルティチュード(Fortitude)、センテナリー(Centenary)

代表銘柄

所在地

アイルランド
都道府県州 オファリー県
住所 St. Anne's, Clonminch Road
郵便番号 R35(タラモア地区)

この地域について

アイルランド中部の内陸に位置するオファリー県は、シャノン川と広大な泥炭湿地帯(ボッグランド)が織りなす静謐な大地です。アイルランドの「隠れた心臓部」とも称されるこの県の最大の宝は、7世紀に聖キアランが創設したクロンマクノイズ修道院跡。シャノン川西岸の小高い丘に立つこの遺跡は、6〜9世紀にかけてヨーロッパ全土から学者が集う学芸・信仰・工芸の一大中心地として栄え、三本の精緻なハイクロス、12世紀のラウンドタワー、複数の石造教会が今も残ります。世界遺産候補にも名が挙がるこの聖地は、アイルランド初期キリスト教文化の粋を凝縮した場所です。

県庁所在地トゥラモアはシャノン川支流のグランド・カナルが通る運河の町で、意外な歴史エピソードも持ちます。1785年、暴走した熱気球が煙突に激突し100棟以上の家屋を焼失させた「世界初の航空事故」が記録されています。

この地から生まれたトゥラモアD.E.W.はアイルランドを代表するウイスキーブランドに成長し、市内の体験蒸留所でその歴史を辿ることができます。またオファリー出身のイーガン家が受け継いできたイーガン蒸留所も近隣に位置し、オファリーの大地と水がウイスキー造りの伝統を今に伝えています。

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