エドラドアー蒸留所は1825年、パースシャー州ピットロッホリー近郊の農地に創設されたスコットランド最小の伝統的蒸留所として世界的に知られる。ゲール語で「二つの川の間」を意味するエドラドアーという名称は、蒸留所が二本の小川に挟まれた立地から生まれた。1823年の酒税法(Excise Act)を受け、近隣農家の協同組合として合法的な製造を開始した農場型蒸留所の最後の生き証人として、現在も19世紀の製造設備をほぼそのまま継承している。
年間わずか約10万リットルという極めて少量の生産規模を誇り、その小ささが独自のキャラクターと希少価値を生み出している。2002年にシグナトリー・ヴィンテージ社のアンドリュー・サイミントン氏が買収し、オロロソシェリー樽100%熟成の10年熟成をはじめ、ピーテッド表現のバリーブレア(Ballechin)シリーズを立ち上げ、蒸留所の個性と多様性をさらに引き出した。バリーブレアの名は1927年に閉鎖した近隣農場蒸留所に由来し、50ppmのピートでスモーキーなハイランドモルトを生産している。
エドラドアー10年はジム・マレーに「小さな蒸留所から生まれた巨大なウイスキー」と評され、ベバレッジ・テスティング・インスティテュート2013では95点・ゴールドメダルを獲得した。バリーブレア10年は国際ウイスキーコンペティション2020でゴールド受賞、ワールド・ウイスキー・アワーズでも定期的に入賞するなど、ミニ蒸留所らしからぬ受賞歴を重ねている。ピットロッホリーはスコットランドの観光地として著名であり、蒸留所見学も年間多数の来場者を集めている。