ブルックラディ蒸留所(Bruichladdich Distillery)|スコットランド・アイラのスコッチウイスキー蒸留所

ブルックラディ蒸留所は、スコットランド・アイラ島西岸のラインズ半島に位置する1881年創業の蒸留所だ。2001年に廃墟同然の状態から復活し、現在はRémy Cointreau(レミー・コアントロー)が所有する。ノンピート・ヘビーピート(ポートシャーロット)・スーパーヘビーピート(オクトモア)という3系統のシングルモルトとジン(ザ・ボタニスト)を同一蒸留所で製造するという独自哲学が世界的評価を得ている。

スコットランド産大麦のテロワールを強調した「アイラバーリー」シリーズや、インヴァーレヴン蒸留所から救出したロモンドスチル「アグリー・ベティ」を使ったボタニストジンの生産など、伝統と革新が共存する「進歩的なヘブリディアン蒸留所」として業界で独自の地位を確立している。

特徴

ノンピート・ヘビーピート・スーパーヘビーピートの3系統を同一蒸留所で製造。世界最高フェノール値を誇るオクトモアは80ppm超。ジン「ザ・ボタニスト」はロモンドスチル使用。アイラ産大麦のテロワールを強調。2001年廃墟から復活の独立精神。

歴史

ブルックラディ蒸留所は1881年にハーヴィー兄弟によってアイラ島のラインズ半島に創設された。当時として先進的なヴィクトリア朝建築で、ブレンデッドウイスキー向けモルト供給を担った。1929年の閉鎖後、1937年に一時再開したものの1994年に再び閉鎖され廃墟同然となる。


2001年にマーク・レイニアーとジム・マキューアン率いるコンソーシアムが買収・復活させ、「進歩的なヘブリディアン蒸留所」として独立系の気概を前面に出した運営を開始。スコットランド産大麦のテロワールを強調し、ノンピート・ヘビーピート・スーパーヘビーピートという三系統のウイスキーと独自のジンをリリースするユニークな哲学で世界的評価を得た。


2012年にフランスのレミー・コアントローが5,800万ポンドで買収。以降も地元アイラ農家と連携した「アイラバーリー」シリーズの継続や、インヴァーレヴン蒸留所から救出したロモンドスチル「アグリー・ベティ」を使ったボタニストジンの生産を続けており、伝統と革新が共存する蒸留所として業界で独自の地位を確立している。

基本情報

正式名称 Bruichladdich Distillery
創業年 1881年
操業状況 稼働中
所有会社 Rémy Cointreau
見学 可能
公式サイト https://www.bruichladdich.com/
Wikipedia Wikipedia
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蒸留所情報

蒸留器数 5基(ウォッシュスチル2基・スピリットスチル2基・ロモンドスチル「アグリー・ベティ」1基)
蒸留方式 ポットスチル(2回蒸留)+ロモンドスチル(ジン用)
モルト使用 ノンピート(ブルックラディ)・40ppm(ポートシャーロット)・80ppm超(オクトモア)
水源 ロッホ・コルム(Loch Coilltean)
熟成倉庫 ダンネージ式・ラック式・パレット式
年間生産量 年間約150万L
使用樽 ワイン樽(シャルドネ・ルーセイユ等)、バーボン樽、シェリー樽
主力ジャンル ウイスキースコッチウイスキー
主要ブランド ブルックラディ
Bruichladdich(ノンピート)
Port Charlotte(ヘビーピート 40ppm)
Octomore(スーパーヘビーピート 80ppm超)
The Botanist(アイラ産ドライジン)

代表銘柄

所在地

イギリス
都道府県州 アイラ島
住所 Bruichladdich, Isle of Islay, Argyll, PA49 7UN, Scotland, UK
郵便番号 PA49 7UN

この地域について

スコットランド西部、インナー・ヘブリディーズ諸島の南端に浮かぶアイラ島は、本土アーガイルから約25kmの海峡を隔てた面積約620km²の島だ。人口わずか約3,000人のこの小島が「アイラスタイル」として世界に知られる独自のウイスキーを生む秘密は、島の大地に広がる特殊な泥炭(ピート)にある。海藻・海洋植物を含むアイラのピートは燃焼時にスモーキー・ヨード・磯の香りを放ち、大麦麦芽乾燥にこの煙を使うことで他に類を見ない個性が生まれる。現在10の蒸留所が稼働しており、各蒸留所のフェノール値はアードベッグ55ppm、ラフロイグ35ppm、ボウモア25ppmと個性はさまざまだ。

中世、アイラ島は「ロードシップ・オブ・ジ・アイルズ(Lordship of the Isles)」の中枢を担った。13〜15世紀にクラン・ドナルドの首長たちが拠点としたロッホ・フィンラガン(Loch Finlaggan)は、ヘブリディーズ諸島全体を支配する独立的な権力の座であり、湖内の評議会島ではスコットランドとアイルランドにまたがる広域議会が開かれた。新ロードの即位に際し戴冠石の上に裸足で立つ古式の儀礼が行われたこの聖地は「クラン・ドナルドの揺りかご」と呼ばれる。1493年にスコットランド王ジェームズ4世によりロードシップが廃止されるまで、アイラはゲール文化圏の政治・文化的中心地であり続けた。

8世紀に建てられたキルダルトン・クロス(Kildalton Cross)はスコットランドに現存する最も保存状態のよいケルト十字の一つで、アイルランドとアイラの深い文化的つながりを今に伝える。島北西部のRSPBロッホ・グルイナート自然保護区(約1,600ha)には世界のグリーンランドバーナクルグース個体数の約45%が越冬に訪れ、希少野鳥の宝庫としても知られる。毎年5月下旬に開催される「フェイシュ・イーレ(Fèis Ìle)」は世界中のウイスキーファンが集う巡礼の祭典で、各蒸留所が限定ボトルと特別体験を用意して島全体が沸き立つ。

1779年創業のボウモアをはじめ、1815年に同年創業したラフロイグとアードベッグを含む歴史ある蒸留所群が、アイラを単なる産地ではなく「ウイスキーの島」として世界に刻み込んでいる。

受賞歴

コンテストグレード銘柄
2024 SFWSC ダブルゴールド ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ

関連リンク