アイラ島南岸のアードベッグの入り江に位置する蒸留所は、フェノール値55ppm以上という世界最高水準のピーティーさで知られるシングルモルトを生産する。1997年のグレンモーレンジィ社による復活再稼働以来、「アードベッグ・コミッティー」を通じた世界的な熱狂的ファンコミュニティを形成した。
2021年に新スチルハウスが完成し生産能力を約2倍に拡張。LVMHグループ傘下で年間約280万リットルを生産し、毎年の限定リリースと「アードベッグ・デー」イベントで世界のウイスキーファンを熱狂させ続けている。
酒で紡ぐ世界の酒図鑑
アイラ島南岸のアードベッグの入り江に位置する蒸留所は、フェノール値55ppm以上という世界最高水準のピーティーさで知られるシングルモルトを生産する。1997年のグレンモーレンジィ社による復活再稼働以来、「アードベッグ・コミッティー」を通じた世界的な熱狂的ファンコミュニティを形成した。
2021年に新スチルハウスが完成し生産能力を約2倍に拡張。LVMHグループ傘下で年間約280万リットルを生産し、毎年の限定リリースと「アードベッグ・デー」イベントで世界のウイスキーファンを熱狂させ続けている。
1798年頃から蒸留の記録が残り、1815年にジョン・マクドゥーガルがアイラ島南岸でライセンスを取得し正式創業した。19世紀後半には年間30万ガロンを生産し60名の従業員を抱える大規模蒸留所へと成長した。
1980年代のスコッチ不況で1981年に生産停止。1989〜1996年の間は散発的な少量生産にとどまった。1997年にグレンモーレンジィ社が買収・再操業し、翌1998年にフル生産体制を回復したリバイバルはウイスキー業界の復活劇として広く語り継がれている。
2004年にLVMHがグレンモーレンジィ社ごと約3億ポンドで買収し現在に至る。2021年には新スチルハウスが完成し、生産能力を約2倍に拡張。世界のウイスキー評価機関から最高評価を受け続ける銘柄として不動の地位を確立している。
| 正式名称 | Ardbeg Distillery |
|---|---|
| 創業年 | 1815年 |
| 操業状況 | 稼働中 |
| 所有会社 | The Glenmorangie Company Ltd.(LVMH傘下) |
| 見学 | 可能 |
| 公式サイト | https://www.ardbeg.com/ |
| Wikipedia | Wikipedia |
| 蒸留器数 | ウォッシュスチル2基・スピリットスチル2基(計4基) |
|---|---|
| 蒸留方式 | ポットスチル |
| モルト使用 | シングルモルト(エクストリームヘビリーピーテッド) |
| 水源 | ウーガダール湖(Loch Uigeadail) |
| 熟成倉庫 | ダンネージ倉庫 |
| 年間生産量 | 約2,800,000 LPA |
| 使用樽 | バーボン樽(主力)、オロロソシェリー樽、フレンチリムザンオーク樽(コリーヴレッカン) |
| 主力ジャンル | ウイスキー、スコッチウイスキー |
| 主要ブランド |
アードベッグ アードベッグ テン(10年) アードベッグ ウィービースティ アードベッグ アン・オア(An Oa) アードベッグ ユイゲダール(Uigeadail) アードベッグ コリーヴレッカン |
| 国 | イギリス |
|---|---|
| 都道府県州 | アイラ |
| 住所 | Ardbeg Distillery, Port Ellen, Isle of Islay, Argyll, PA42 7EA, Scotland, UK |
| 郵便番号 | PA42 7EA |
スコットランド西部、インナー・ヘブリディーズ諸島の南端に浮かぶアイラ島は、本土アーガイルから約25kmの海峡を隔てた面積約620km²の島だ。人口わずか約3,000人のこの小島が「アイラスタイル」として世界に知られる独自のウイスキーを生む秘密は、島の大地に広がる特殊な泥炭(ピート)にある。海藻・海洋植物を含むアイラのピートは燃焼時にスモーキー・ヨード・磯の香りを放ち、大麦麦芽乾燥にこの煙を使うことで他に類を見ない個性が生まれる。現在10の蒸留所が稼働しており、各蒸留所のフェノール値はアードベッグ55ppm、ラフロイグ35ppm、ボウモア25ppmと個性はさまざまだ。
中世、アイラ島は「ロードシップ・オブ・ジ・アイルズ(Lordship of the Isles)」の中枢を担った。13〜15世紀にクラン・ドナルドの首長たちが拠点としたロッホ・フィンラガン(Loch Finlaggan)は、ヘブリディーズ諸島全体を支配する独立的な権力の座であり、湖内の評議会島ではスコットランドとアイルランドにまたがる広域議会が開かれた。新ロードの即位に際し戴冠石の上に裸足で立つ古式の儀礼が行われたこの聖地は「クラン・ドナルドの揺りかご」と呼ばれる。1493年にスコットランド王ジェームズ4世によりロードシップが廃止されるまで、アイラはゲール文化圏の政治・文化的中心地であり続けた。
8世紀に建てられたキルダルトン・クロス(Kildalton Cross)はスコットランドに現存する最も保存状態のよいケルト十字の一つで、アイルランドとアイラの深い文化的つながりを今に伝える。島北西部のRSPBロッホ・グルイナート自然保護区(約1,600ha)には世界のグリーンランドバーナクルグース個体数の約45%が越冬に訪れ、希少野鳥の宝庫としても知られる。毎年5月下旬に開催される「フェイシュ・イーレ(Fèis Ìle)」は世界中のウイスキーファンが集う巡礼の祭典で、各蒸留所が限定ボトルと特別体験を用意して島全体が沸き立つ。
1779年創業のボウモアをはじめ、1815年に同年創業したラフロイグとアードベッグを含む歴史ある蒸留所群が、アイラを単なる産地ではなく「ウイスキーの島」として世界に刻み込んでいる。
| 年 | コンテスト | グレード | 銘柄 |
|---|---|---|---|
| 2025 | SFWSC | ダブルゴールド | アードベッグ テン |
| 2025 | WWA | Category Winner | アードベッグ コリーヴレッカン |
| 2024 | WWA | Category Winner | アードベッグ ウーガダール |
| 2023 | SFWSC | ダブルゴールド | アードベッグ ウーガダール |
| 2022 | WWA | Category Winner | アードベッグ ウーガダール |