アバラワー蒸留所(Aberlour Distillery)|スコットランド・スペイサイドのスコッチウイスキー蒸留所

アバラワー蒸留所は、スコットランド・スペイサイドのアバラワー村に位置するシングルモルトウイスキーの生産拠点だ。1879年にジェームズ・フレミングによって創設され、スペイ川とロウアー・バーンの合流点近くで軟水を採取してきた。現在はChivas Brothersが所有し、シェリー樽熟成を中心とする豊潤なスタイルでフランス市場のシングルモルト販売No.1を長年維持している。

代表作「A’bunadh(アブーナ)」はカスクストレングスのバッチリリースとして世界的な高評価を受け、熟したフルーツと豊かなシェリーの風味が特徴だ。蒸留所名はゲール語で「饒舌な川の合流点」を意味し、創設者フレミングは地域社会への匿名の慈善活動でも知られている。

特徴

シェリー樽熟成を主体とする豊潤なスタイル。カスクストレングス「A'bunadh」はバッチリリースで世界的高評価。フランス市場のシングルモルト販売No.1を長年維持。セント・ドロスタンの泉の軟水を仕込み水に使用。

歴史

アバラワー蒸留所は実業家・慈善家のジェームズ・フレミングによって1879年にスペイ川とロウアー・バーンの合流点近くに創設された。蒸留所名はゲール語で「饒舌な川の合流点」を意味し、仕込み水にセント・ドロスタンの泉を用いた。フレミングは地域社会への匿名の貢献でも名高く、病院・学校・スペイ川橋の建設資金を提供した。


1898年にはモルトミルの爆発を発端とする大火災で設備のほぼ全てと在庫ウイスキーを失ったが、直後に再建を果たした。1920年にW.H. Holt & Sons、1945年にS. Campbell & Sons Ltd、1974年にキャンベル・ディスティラリーズ(Pernod Ricard傘下)へと所有権が移り、2001年よりChivas Brothers傘下となった。


1973年に4スチル体制へと拡張し、現在はスペイサイドの中核蒸留所の一つとして年間約380万Lを生産する。シェリー樽熟成主体のスタイルはフランスでシングルモルト販売No.1を長年維持し、バッチリリースの「A’bunadh」は世界的な評価を獲得している。拡張計画で年産750万Lへの増強が予定されている。

基本情報

正式名称 Aberlour Distillery
創業年 1879年
操業状況 稼働中
所有会社 Chivas Brothers(Pernod Ricard傘下)
見学 要予約
公式サイト https://www.aberlour.com/
Wikipedia Wikipedia
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蒸留所情報

蒸留器数 4基(ウォッシュスチル2基・スピリットスチル2基)
蒸留方式 ポットスチル(2回蒸留)
モルト使用 無泥炭モルテッドバーリー
水源 ロウアー・バーン(セント・ドロスタンの泉)
熟成倉庫 ダンネージ式・ラック式(混合)
年間生産量 年間約380万L
使用樽 オロロソ・シェリー樽(主体)、バーボン樽
主力ジャンル ウイスキースコッチウイスキー
主要ブランド アベラワー
Aberlour 12
Aberlour 16
Aberlour A'bunadh

代表銘柄

所在地

イギリス
都道府県州 スペイサイド
住所 High Street, Aberlour, Banffshire, AB38 9PJ, Scotland, UK
郵便番号 AB38 9PJ

この地域について

スコットランド北東部、インヴァネスとアバディーンの間に横たわるスペイサイドは、全長172kmのスペイ川が灌漑する豊かな農業地帯だ。源流をモナドリアス山地のロッホ・スペイ(標高約300m)に持つスペイ川は、スコットランド第3の長さを誇り最も流れの速い川の一つで、ケアンゴームズ国立公園を抜けてモーレイ・ファース(Moray Firth)へと注ぐ。川が育む軟水とミネラルバランス、周辺農地の良質な大麦、ケアンゴームの泥炭——この三拍子が世界最高密度のウイスキー産地を形成した背景にある。スペイ川はまた「スペイキャスト」と呼ばれる独自のフライフィッシング技法の発祥地として知られ、サーモン釣りを求める世界中のアングラーを引き付ける英国随一の鮭川でもある。

1823年の消費税法(Excise Act)成立が密造横行の時代に終止符を打ち、翌1824年にジョージ・スミスがグレン・リヴェット渓谷で最初の合法免許を取得。モダン・スコッチ産業の礎を築いた。19世紀後半にグレート・ノース鉄道がスペイサイドに開通すると大麦・石炭・樽の輸送が一気に整い、各地で蒸留所創業ラッシュが起きた。現在も稼働する蒸留所はストラスアイラ(1786年創業・スコットランド最古の連続稼働蒸留所)からダフタウン、アベラワー、クレイゲラキまで50以上が密集し、2009年のスコッチウイスキー規則でスペイサイドが独立産地として正式認定された。

スペイ川岸に建つ16世紀のバリンダロッホ城(Ballindalloch Castle)はマクファーソン=グラント家が数百年にわたり居住し続ける生きた史跡だ。全長116kmのスペイサイド・ウェイはモーレイ湾の港町バッキーからケアンゴームズの奥地まで続くロング・ディスタンス・ウォーキングルートで、沿道には蒸留所見学スポットが点在する。英国唯一の現役樽職人工房スペイサイド・クーパレッジや7蒸留所を巡るモルトウイスキー・トレイル(全長99km)は、毎年5月に開催される「スピリット・オブ・スペイサイド・ウイスキー・フェスティバル」と合わせて54カ国以上のウイスキーファンを呼び込む。

現在スコットランド全体のシングルモルトの約50〜60%がスペイサイド産であり、世界で最も売れる2大シングルモルト——グレンリベットとグレンフィディック——がともにこの地に根を持つことが、スペイサイドを「ウイスキーの聖地」たらしめている。

受賞歴

コンテストグレード銘柄
2024 ISC 金賞 アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード
2024 IWSC 金賞 アベラワー アブーナ
2024 SFWSC ダブルゴールド アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード
2022 WWA Category Winner アベラワー アブーナ
2021 IWSC Gold Outstanding アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード
2020 ISC ダブルゴールド アベラワー アブーナ