ヱビスビールは1890年(明治23年)、日本麦酒醸造會社によって誕生した。ドイツから機械を取り寄せ、ドイツ人技師の指導のもと「本場の味」を追求するという強い意志のもとに醸造が始まった。ブランド名は商売繁盛の神「恵比寿」にちなんで命名されたが、この命名が後に地名まで変えることになる。それまで「三田村」「下渋谷村」などと呼ばれていたエリアが「恵比寿」と呼ばれるようになり、現在のJR恵比寿駅の駅名の由来にもなった。表記に「ヱ」(ワ行エ)を使い、ローマ字では「YEBISU」と表記するのは、明治期のローマ字綴りに由来しており、日本円がYenと表記されるのと同じ理由である。
1900年(明治33年)のパリ万博で30か国以上の中から金賞を受賞し、国際的にもその品質が認められた。1904年のセントルイス万博ではさらにグランプリを受賞している。しかし戦中・戦後の混乱期にブランドは一時消滅を余儀なくされた。その後、恵比寿工場跡地の再開発とともに1994年(平成6年)に恵比寿ガーデンプレイスが開業し、同時期にヱビスブランドが復活。「ヱビスビールあります。」キャンペーンを機に市場でのプレミアムポジションを確立し、後のプレミアムビール市場の礎を築いた。
ヱビスビールの品質を支えるのは麦芽100%という原料の潔さと、通常の1.5倍に及ぶ長期熟成だ。ドイツ・バイエルン産アロマホップを使用し、じっくりと時間をかけて旨みを引き出す製法はブランド誕生以来変わらない哲学を体現している。2005年のモンドセレクション最高金賞受賞(国産ビール初)以降、プレミアムビール市場でのブランド価値は不動のものとなっている。2024年には発祥の地・恵比寿に「YEBISU BREWERY TOKYO」が開業し、35年ぶりに恵比寿での醸造が復活した。
テイスティングノート
香り
バイエルン産アロマホップの上品な花のような香りと、麦芽100%ならではのふくよかな穀物の甘香りが重なる。
味わい
麦芽の豊かなコクとほどよい苦みが口中に広がり、長期熟成由来の深みのある旨みが飲み込むほどに増してくる。
余韻
余韻は長く、麦とホップが交互に主張しながらゆっくりと消えていく。プレミアムに相応しい品格ある後口。
酒
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