東洋美人(とうようびじん)は、山口県萩市の澄川酒造場が誇る看板銘柄だ。「壱番纏(いちばんまとい)」は文字通り蔵の最高峰ラインであり、「纏(まとい)」とは江戸時代の消防士が掲げた旗印のことで、「一番先頭に立つ者の誇り」という意味が込められている。
澄川酒造場は明治時代に創業し、山口県の日本酒文化を支えてきた。純米大吟醸「壱番纏」は兵庫県特A地区産の山田錦を使用し、精米歩合40%以下の高精白で仕込まれる。山口県の萩市に湧く名水と冷涼な気候が、繊細で品格のある酒質を育む。
2013年の平成25年7月山口豪雨では澄川酒造場が壊滅的な被害を受けた。蔵のほぼすべての設備が水没・流出する未曾有の災害に見舞われたが、全国の日本酒ファンや業界関係者からの支援の輪が広がり、奇跡的な復活を遂げた。この再建の物語が多くの人の心を動かし、東洋美人の知名度と人気が全国区に拡大するきっかけともなった。
現在は蔵を再建し、さらに精緻な酒造りに取り組む澄川酒造場。「壱番纏」はその復活の象徴であり、山口から日本酒の頂点を目指す意志を体現したボトルだ。
テイスティングノート
香り
高貴で洗練された吟醸香が優雅に立ち上がる。完熟した白桃・ライチ・白い花(ジャスミン)が複雑に絡み合い、山口の澄んだ水のような清涼感の中に深みのある果実香が広がる。
味わい
シルクを思わせる滑らかな口当たり。繊細で品のよい甘みと透明感のある旨みが広がり、凛とした酸が全体を引き締める。40%精白の純米大吟醸ならではの純粋さと複雑さが共存する、高次元のバランス。
余韻
長く優雅に続く余韻。フルーティな甘みが引いた後に、山口の名水を思わせるミネラル感と上品な旨みが残る。飲み終えた後もしばらく幸福感が続く、格調高いフィニッシュ。
酒
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