天狗舞 古古酒 純米大吟醸は、石川県白山市の車多酒造が手がける熟成プレミアム日本酒である。車多酒造は文政6年(1823年)創業、2023年に創業200周年を迎えた老舗蔵だ。霊峰白山を望む加賀平野に蔵を構え、仕込み水には白山の伏流水を使用する。ブランド名「天狗舞」は、白山山麓の山深い自然の中で天狗が舞い踊るような自由闘達な酒をイメージして名付けられた。
車多酒造は「山廃仕込」の先駆的蔵元として全国に知られる。山廃仕込とは、酛摺り(山卸)の工程を廃止し、自然の乳酸菌の力で酒母を育てる伝統的手法であり、手間と時間がかかるが豊かな酸と深い旨みを持つ酒が生まれる。2011年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では純米酒部門でトロフィー(最高金賞)を獲得し、世界一の山廃純米酒として認定された。この受賞は車多酒造の山廃仕込みの技術力を国際的に証明するものであった。
「古古酒」は2年以上熟成させた日本酒を指す。本品は全国新酒鑑評会出品クラスの高品質な純米大吟醸を低温で長期熟成させた最上位表現である。兵庫県特A地区産の山田錦を精米歩合50%まで磨き上げて使用する。新酒にある尖った若さが消え、まろやかで円熟した口当たりに変化しているのが特徴で、古酒特有のくどさや癖が抑えられた上品な熟成感が楽しめる。「古酒が苦手な人も抵抗なく飲める」と評される洗練された一本であり、白身魚の塩焼きや鴨料理、少し脂の乗った魚介類との相性が良い。
テイスティングノート
香り
熟成から来る穏やかな馥郁とした香り。新酒の華やかさとは異なる、落ち着いた深みのある芳香が特徴的。古酒特有の紹興酒的なニュアンスは控えめで、山田錦の上品な米香と白山の水が生む清廉さが調和している。
味わい
口に含むとまろやかで円熟した口当たりが広がる。新酒にある尖った若さが完全に消え、ほんのりとした甘みと深い旨みが渾然一体となっている。山廃仕込みの技術を基盤とした車多酒造ならではの豊かな酸が、熟成による丸みと絶妙なバランスを形成。16度のアルコールが適度な力強さを与える。
余韻
長い余韻が心地よく続く。熟成由来のまろやかな旨みが口中に残りながらも、後味はきれいに収束する。時間とともに味の表情が変化する奥深さを持ち、ゆっくりと味わいたい贅沢な一杯。
酒
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