秀鳳 純米は、山形県山形市に蔵を構える秀鳳酒造場が手がける定番の純米酒である。美山錦を60%まで精米し、蔵王連峰の伏流水で醸されるこの純米酒は、秀鳳ブランドのエントリーモデルとして、日常的に楽しめる手頃な価格帯ながらも確かな品質を誇る一本だ。山形は「吟醸王国」として知られるが、秀鳳は純米酒でもその技術力を遺憾なく発揮している。
秀鳳酒造場は1890年の創業以来、山形の厳しい冬の寒さを活かした伝統的な寒造りを守り続けている。出羽燦々や雪女神など山形県オリジナルの酒造好適米を積極的に使用することでも知られるが、本品では美山錦のすっきりとしたキレの良さを活かしたシャープな辛口仕上げとなっている。冷酒でもぬる燗でも楽しめる懐の深さがあり、山形の郷土料理・芋煮との相性は特に秀逸。日常の食卓を豊かにする食中酒として、地元で長年愛され続けている銘柄である。
テイスティングノート
香り
穏やかな米の甘い香りが広がり、続いてほのかなリンゴと白い花のフローラルな香りが漂う。全体として控えめだが品のあるアロマで、食事の邪魔をしない清楚な香り立ちだ。
味わい
すっきりとした口当たりから、美山錦由来のクリーンな米の旨みが広がる。中盤にシャープな酸味が切り込み、辛口設計通りのキレの良さを見せる。後半にかけて穏やかなミネラル感と微かな苦みが複雑さを添え、全体として端正でバランスの良い味わいだ。冷酒ではシャープに、ぬる燗では旨みがふくらむ。
余韻
短〜中程度の余韻。米のふくよかな旨みがほのかに残り、最後にドライな酸味と微かなミネラルがすっきりと後味を締める。キレの良い余韻が食中酒としての適性を示している。
酒
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