シングルモルトウイスキー静岡 プロローグKは、静岡県静岡市のガイアフロー静岡蒸溜所が手がけるジャパニーズシングルモルトである。「K」は蒸溜所のシンボルである薪直火蒸留器(通称K)で蒸留された原酒のみを使用していることを示す。カスクストレングス(55.5%)でボトリングされ、原酒本来の力強い個性をダイレクトに味わえる。
ガイアフロー静岡蒸溜所は2016年に設立された比較的新しい蒸溜所で、中村大航氏が創業者兼代表を務める。蒸溜所の最大の特徴は、世界でも稀な薪直火蒸留器を保有していること。スコットランドの閉鎖蒸溜所から譲り受けたポットスチルを改造し、薪を燃料に直火で加熱する方式は、独特のスモーキーさと複雑な風味を原酒に与える。
静岡の温暖な気候は熟成に独自の影響を及ぼし、スコットランドとは異なるスピードで原酒が変化する。安倍川の伏流水を仕込み水に使用し、静岡茶の産地として知られる穏やかな風土の中でウイスキー造りが行われている。プロローグシリーズは蒸溜所の初期ビンテージを記録する重要なリリースであり、コレクターズアイテムとしても高い人気を誇る。
テイスティングノート
香り
薪直火蒸留由来のほのかなスモーキーさが第一印象。焚き火や燻製のニュアンスの奥に、バニラやハチミツの甘い香りが潜む。柑橘類の皮やジンジャーのスパイシーさも感じられ、若い原酒ながら複雑な香りの構成を持つ。加水すると果実香がより明確になる。
味わい
カスクストレングスならではの力強いアタック。薪直火の特徴である穏やかなスモーキーさが口中に広がり、続いてバーボン樽由来のバニラ、キャラメルの甘味が展開する。中盤からはシトラスやグリーンアップルのフレッシュな果実味が現れ、若さゆえの活力が感じられる。アルコールの刺激は意外と穏やかで、加水にも良く対応する。
余韻
中〜長めの余韻。スモーキーさとバニラの甘味が交互に押し寄せ、最後にホワイトペッパーのスパイシーなキックが残る。薪直火蒸留の個性が余韻にまでしっかりと刻まれており、ジャパニーズウイスキーの新しい表現を堪能できる。
酒
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