冩樂(しゃらく)純米吟醸 初しぼりは、福島県会津若松市の宮泉銘醸が秋から冬にかけて季節限定でリリースする生酒だ。その名の通り、搾りたてのフレッシュな香味をそのまま瓶に詰めた「その年最初のしぼり」として愛好家から特別視される一本である。
冩樂ブランドの誕生には特別な経緯がある。元々は会津の別の蔵が保有していたブランドだったが、その蔵が2005年に廃業する際に現4代目蔵元・宮森義弘氏が引き継いだ。義弘氏は工学系エンジニアから福島県酒造アカデミーで清酒醸造を学び直した異色の蔵元で、同アカデミーで指導を受けた廣木酒造の「飛露喜」を目標に掲げ技術を磨いた。
2007年の初販売時から東京で大評判を呼んだ冩樂は、2014年のSAKE COMPETITIONで純米酒部門・純米吟醸酒部門のダブル1位という歴史的偉業を達成した。特に純米吟醸部門の1位は当時の人気銘柄・十四代を抑えての受賞だったことから業界に衝撃が走り、冩樂の名が一夜にして全国区となった。「凝縮された甘みとシャキッとした切れ味」という冩樂スタイルは、甘旨系日本酒の文脈を確立した一翼を担い、福島日本酒全体のブランドイメージ向上に大きく貢献している。
テイスティングノート
香り
奥行きのある落ち着いた立ち香。含み香でバナナ様の甘い香りとフレッシュな果実感が優しく開花する。
味わい
バナナ様の甘い香りとフレッシュな果実感が広がり、甘味と酸味のバランスが良く、米の旨味に奥行きがある。キレが良く、搾りたてならではのフレッシュ感が全体を引き締める。
余韻
均整のとれた余韻が続き、しぼりたてのフレッシュさと米の旨みが静かに残る。後口のキレが心地よく、食中酒として杯が進む仕上がり。
酒
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