三郎丸 ZEMONは、富山県砺波市に蔵を構える若鶴酒造・三郎丸蒸留所が手がけるシングルモルトウイスキーである。三郎丸蒸留所は1952年に北陸で唯一のウイスキー蒸留所として操業を開始し、2016年からの大規模リニューアルを経て新たな章を刻んでいる。クラウドファンディングで資金を募り、蒸留所を一般公開する「開かれた蒸留所」というコンセプトで再出発を果たした。
本商品の最大の特徴は、世界初の鋳造製ポットスティル「ZEMON」を使用していることにある。高岡銅器の伝統技術を持つ老子製作所との共同開発により誕生したこのスティルは、銅と錫の合金で鋳造されており、従来の銅板を叩いて成形するポットスティルとは全く異なるアプローチで造られている。錫の触媒作用により硫黄化合物がより効率的に除去され、クリーンでフルーティな酒質が実現する。この革新的なスティルは「ZEMON」と名付けられ、そのまま商品名となった。
北陸の厳しい寒暖差と高湿度の環境は、スコットランドとは異なる独自の熟成をもたらす。冬季の積雪と夏季の高温多湿が交互に訪れることで、樽との反応が活発に進み、比較的短い熟成期間でも豊かなフレーバーが生まれる。三郎丸蒸留所は地元・砺波平野の大麦を使用したグレイントゥグラスの取り組みも進めており、北陸テロワールを体現するウイスキーとして存在感を増している。
テイスティングノート
香り
バニラ、キャラメル、洋梨の甘い香りが立ち上る。ZEMONスティル由来のクリーンなフルーティさが特徴的で、軽やかな麦芽の香ばしさとオレンジピールのニュアンスが重なる。
味わい
口当たりは力強くリッチ。ハチミツとドライフルーツの甘みが広がり、中盤からチョコレートやナッツのコクが現れる。48度のアルコール度数がしっかりとしたボディを支え、飲みごたえがある。
余韻
スパイシーでウッディな余韻が長く続く。最後にほのかなビターチョコレートとオークの風味が残り、心地よい温かさが口中に広がる。
酒
💬0