オリオンビールは1957年(昭和32年)5月18日、米国統治下の沖縄において「沖縄ビール株式会社」として設立された。設立の志は「沖縄の社会経済復興には第2次産業を興すべき」という実業家・具志堅宗精氏の信念だ。ビールの名称は同年11月1日付けの朝刊で公募が行われ、「オリオン座は南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること、また星は人々の夢や憧れを象徴する」という理由から「オリオン」が選ばれた。1959年に会社名も「オリオンビール株式会社」に改称された。「ドラフト(生ビール)」の商品名は1973年の缶ビール発売時に登場し、「地元で作った出来立てのビールをすぐ届ける」という新鮮さへのこだわりを体現したものだった。
オリオンドラフトビールは亜熱帯の沖縄の気候風土が生んだビールだ。高温多湿の環境に合わせてスッキリ・マイルドに仕上げた味わいは、年間を通じて暑い沖縄での生活に寄り添うように磨かれてきた。全国シェアでは大手4社に次ぐ第5位だが、地元沖縄県内では約5割のシェアを誇り、「沖縄の県民ビール」として深く根付いている。観光客にとっても沖縄料理や三線と組み合わせるビールとして強くイメージされており、「沖縄の味」の代名詞的存在となっている。
2020年6月のリニューアルでは「オリオン ザ・ドラフト」に名称を改め、沖縄県伊江島産大麦を初めて採用した。従来比1.2倍の長期熟成と新たなろ過製法の組み合わせにより、余分な雑味を取り除きながらスッキリした飲みやすさを維持しつつ飲みごたえをアップさせた。「澄みと旨み。」というコンセプトのもと、沖縄の水・沖縄の大麦・沖縄の気候で育てたビールという地域色をより強く打ち出している。アサヒビールが2002年に株式を取得して資本業務提携関係にあるが、ブランドの独自性と沖縄アイデンティティは守られ続けている。
テイスティングノート
香り
沖縄の南国の風を思わせるクリーンで軽やかな穀物の香りが広がり、ホップの苦香は穏やかで爽やかな印象を与える。
味わい
スッキリとした軽快な口当たりで始まり、麦のやわらかなコクとともに亜熱帯気候向けに磨かれたマイルドな苦みが続く。
余韻
後口はきれいにすっきりと引き、ほのかな麦の余韻だけが残るクリーンなフィニッシュ。
酒
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