ニッカ シングルモルト 余市は、北海道余市蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーである。創業者・竹鶴政孝がスコットランドで学んだ伝統的な石炭直火蒸留(コールファイアード)を今なお続ける世界でも稀有な蒸溜所で、その力強くスモーキーな原酒は世界中のウイスキーファンを魅了してきた。
余市蒸溜所は1934年の創設以来、北海道の冷涼な気候を活かした原酒づくりを行ってきた。石炭直火蒸留は現在世界で唯一余市だけが続けている製法であり、職人が絶えず石炭をくべることで火力を微調整し、力強いボディと複雑なスモーキーフレーバーを生み出している。竹鶴政孝がスコットランド・ロングモーン蒸溜所で学んだ技術の正統な継承者といえる。
2015年にエイジステートメント付きの余市10年・15年・20年が終売となり、現行品はノンエイジ(NAS)の「シングルモルト余市」となった。2024年にはアルコール度数を43%から45%に引き上げるリニューアルが行われ、より原酒の個性が感じられる仕様に変更された。様々な熟成年数の原酒をヴァッティングすることで、余市らしい力強さと奥行きを表現している。
ジャパニーズウイスキーの中でもアイラモルトに比肩する重厚なピートフレーバーが特徴で、海外では「日本のアイラ」とも称される。ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)やWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で数々の受賞歴を持ち、竹鶴政孝が目指した本格スコットランドスタイルのウイスキーづくりの精神が、90年以上を経た現在もなお脈々と受け継がれている。
テイスティングノート
香り
潮風を思わせるブリニーなピートスモーク、ドライフルーツ、オレンジピール、モルトの甘み。奥にはダークチョコレートやコーヒー豆のようなロースト香が漂い、力強さの中にも上品な甘みが感じられる。
味わい
口当たりはしっかりとしたボディで、力強いピートの存在感が広がった後にモルティな甘みとドライフルーツのリッチさが追いかける。スパイシーなオーク由来の風味と潮気のあるミネラル感が複雑に絡み合い、45%への度数変更により原酒の厚みがより鮮明に感じられる。
余韻
長く温かみのある余韻。ピートスモークとビターチョコレートが交互に波のように現れ、最後にかすかな塩気とモルトの甘みが口の中に心地よく残る。
酒
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