ニッカ シングルモルト 宮城峡は、宮城県仙台市の宮城峡蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーである。1969年、竹鶴政孝が余市とは対照的な個性を持つ原酒を求めて、新川(にっかわ)と広瀬川の合流点に位置するこの地を選び、第二の蒸溜所を設立した。緑豊かな峡谷の穏やかな環境が、華やかで繊細なモルトウイスキーを育んでいる。
宮城峡蒸溜所では、余市の石炭直火蒸留とは対照的にスチーム間接加熱方式のポットスチルを採用している。上向き型のラインアームから得られる軽やかな酒質が特徴で、さらにカフェ式連続蒸留器(コフィースチル)も備えており、グレーンウイスキーの製造も行っている。竹鶴政孝は「異なる個性の原酒をブレンドしてこそ、より豊かなウイスキーが生まれる」という信念のもと、この蒸溜所を構想した。
余市が力強くスモーキーであるのに対し、宮城峡は華やかでフルーティな香りと柔らかな口当たりが特徴である。リンゴや洋梨を思わせるフルーツ香に、シェリー樽由来の上品な甘みが重なり、エレガントな味わいを構成している。2024年のリニューアルで余市同様に度数が45%に引き上げられ、よりモルトの個性が際立つ仕様となった。
ニッカウヰスキーが誇る二つの蒸溜所の「陰と陽」として、余市の力強さと対をなす繊細さを持つ宮城峡は、ジャパニーズウイスキーの多彩な表現力を世界に示している。ISCやWWAなどの国際コンペティションでも数々の受賞歴があり、特にシェリーカスク原酒の品質の高さは海外の評論家からも高い評価を受けている。
テイスティングノート
香り
リンゴや洋梨を思わせる華やかなフルーツ香、バニラ、蜂蜜の甘み。シェリー樽由来のドライフルーツやナッツの香りが奥に感じられ、かすかにフローラルなニュアンスも漂う。
味わい
口当たりは滑らかでエレガント。フルーティな甘みが広がり、麦芽の穏やかなコクとシェリーカスク由来のレーズン、チョコレートのニュアンスが調和する。余市に比べてライトからミディアムボディで、繊細さの中にもしっかりとした味わいの厚みがある。
余韻
ミディアムレンジの穏やかな余韻。バニラとドライフルーツの甘みが続き、わずかにスパイシーなオークのアクセントが加わって心地よくフィニッシュする。
酒
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