奈良萬 純米大吟醸は、福島県喜多方市の夢心酒造が醸す最高峰の日本酒である。兵庫県産山田錦を40%まで磨き上げ、飯豊山系の伏流水で仕込む。福島の酒造技術の粋を集めた繊細で優美な味わいが楽しめる。
夢心酒造は1877年(明治10年)創業で、初代・東海林萬次郎が「奈良屋」の屋号で酒造りを始めたのがルーツ。「奈良萬」はこの創業者の名前から取られた。喜多方市は蔵のまちとしても知られ、冬季は会津盆地特有の厳しい寒さに見舞われる。この自然環境が低温発酵を可能にし、繊細な香味の日本酒を生み出す条件を整えている。
純米大吟醸は奈良萬のラインナップの頂点に位置し、年間生産量は限られている。40%精米の山田錦から引き出される華やかな吟醸香と、飯豊の水が生むふくよかな旨味のバランスが見事。冷蔵で保管し、8〜10℃の冷酒で楽しむのが推奨される。特別な席での乾杯酒としても映える華やかさと、食事に寄り添う繊細さを兼ね備えた一本だ。
テイスティングノート
香り
華やかで品格のある吟醸香。白桃やマスカット、ライチの果実香が主体で、その奥に白い花や微かなバニラのニュアンスが感じられる。開栓後時間が経つとともにさらに香りが開き、複雑さを増していく。
味わい
絹のようになめらかな口当たりが印象的。山田錦由来の上品な甘味が舌を包み込み、続いてきめ細やかな酸味が味わいに立体感を与える。40%精米ならではの雑味のないピュアな酒質で、透明感と旨味が見事に共存している。中盤からはほのかな旨味のコクが深みを添え、単調にならない奥行きのある味わい。
余韻
エレガントな余韻が中〜やや長めに続く。果実香の残り香とともにミネラル感が口中に漂い、消えゆく瞬間まで品の良さを保つ。福島の酒のレベルの高さを改めて実感させられるフィニッシュだ。
酒
💬0