箕面ビール W-IPAは、大阪府箕面市を拠点とするブルワリー・株式会社箕面ビール(A.J.I. Beer Inc.)が醸造するダブルIPA(Imperial IPA)である。箕面ビールは1997年に大阪府豊能郡豊能町で創業し、その後箕面市に移転。家族経営の小規模ブルワリーながら、世界最高峰のビールコンテストで数々の金賞を獲得し「世界最強の家族経営ブルワリー」とも称される日本のクラフトビール界の雄だ。
W-IPAの「W」はDouble(ダブル)を意味し、通常のIPAの2.5倍ものモルトとホップを惜しみなく投入して醸造される超強烈なスタイルである。アルコール度数は9%と高く、ふんだんに使用されたアメリカンホップが放つアロマと苦みの強度は、国内クラフトビールの中でも群を抜く。箕面ビールの創業者・楠剛氏とその娘・楠優花氏が「日本人向けの軽いビールだけでなく、世界に通用する強烈なビールを造りたい」という信念のもとに開発した銘柄として知られている。
原材料にはアメリカ産の柑橘系ホップを複数種類使用しており、ホップの苦み値(IBU)は非常に高い設定となっている。濃い銅色の外観が特徴的で、グラスに注ぐと豊かな泡立ちとともにアメリカンホップの芳醇な柑橘系・松ヤニ様のアロマが立ち上る。濃厚なモルトのボディが圧倒的なホップの苦みを下支えしており、ビールの温度帯やグラスの形状によって風味の表情が大きく変化するという奥深さも持つ。
W-IPAは国際ビールコンテストで特筆すべき評価を受けてきた。2013年のWorld Beer Awards(ワールドビアアワード)においてIPAカテゴリーで世界金賞(World’s Best IPA)を受賞し、日本のIPAが世界最高の評価を獲得するという歴史的快挙を成し遂げた。さらに2017年にはInternational Brewing Awards(インターナショナル・ブリューイング・アワーズ)でもImperial IPAカテゴリーの世界金賞を獲得。単独の銘柄で同一カテゴリーの世界頂点を複数大会で制したことは、日本のクラフトビール界全体への大きな自信と誇りをもたらした。
箕面ビール全体としても、ダブルスタウトやスモークビールなど多様なスタイルで国際的賞歴を積み上げており、W-IPAはその中でも最も象徴的な「箕面の旗艦銘柄」として位置づけられている。ウイスキーや強いスピリッツを好む愛好家からも支持されることが多く、ビール通やホップ好きのコアなクラフトビールファンにとって外せない一本だ。IPAというスタイルが日本のクラフトビール市場で定着するにあたって、W-IPAが果たした先導的役割は計り知れない。
テイスティングノート
香り
アメリカンホップ由来の爆発的な柑橘系アロマが支配的で、グレープフルーツ・パイン・熱帯果実を重ねたような芳醇で複雑な香り。濃厚なカラメルモルトの甘い香りが背景を支える。
味わい
9%のアルコール度数とともに、強烈なホップの苦みがロースト感のある濃厚なモルトボディを突き抜ける。柑橘系の果実フレーバーが苦みの中に輝き、複層的な味わいが展開する。温度上昇とともにモルティな甘みが増し、飲み方によって全く異なる顔を見せる。
余韻
長く持続するホップの苦みと松ヤニ様のリジン感が余韻を構成し、最後まで妥協しない強烈な後味。アルコールの温かみが喉に広がり、口の中に柑橘のフレーバーが長く残る。コアなIPAファンを満足させる力強いフィニッシュ。
酒
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