ミシル蒸留所(Micil Distillery)はコナハト地方ガルウェイに拠点を置き、創業者パドレイク・オグリアリスの曾曾曾祖父である「ミシル・マック・チェアラ」が1848年からコネマラでポチーン(poitín)を製造していた伝統に遡る蒸留所だ。「アールズ・アイランド(Earl’s Island)」という名称は、ガルウェイのコリブ川河口に浮かぶ歴史的な中洲・アールズ・アイランドへのオマージュで、かつてガルウェイが繁栄したラテン系ワイン商人の歴史とも重なる。
アールズ・アイランド・シングルポットスティルはポットスチルウイスキーの伝統製法に従い、トリプルディスティルドのポットスチルウイスキーをベルドー(Bordeaux)赤ワイン用フレンチオーク樽(75.5%)とピーテッドウイスキー用アメリカンオーク・クォーターカスク(24.5%)に分けてフィニッシュさせている。この2カスクのブレンドが、ガルウェイとラテン系ワイン商人の歴史的なつながりを象徴している。
「アールズ・アイランド」とはガルウェイ市内のコリブ川中洲に実在する地名で、中世のラテン商人たちがワインを持ち込んで貿易を行ったとされる歴史的な場所だ。ボルドーの赤ワイン樽を使用するというカスク選択は、この歴史との意識的なつながりを示しており、コネマラとボルドーを7世紀の時を超えて結ぶ文化的なオマージュとなっている。
ミシル蒸留所は2016年にポチーン蒸留所として設立され、創業者の6代目ポチーン蒸留師としての家系が公式に認められた。ガルウェイ湾の岸辺で170年以上にわたって密造酒を作り続けた家族の秘密の製法が、ついて正式な商業蒸留として表舞台に出た歴史的な転換は、ミシルブランドのすべての製品に独自のロマンをもたらしている。
アールズ・アイランドはミシルのウイスキーラインナップにおけるポットスチルを代表する旗艦商品として位置づけられ、インヴェリン・スモールバッチとともに蒸留所のウイスキー哲学を体現する二本柱の一方を担っている。ピーティッドのクォーターカスク仕上げが加わることで、コネマラのポチーン蒸留の伝統にある泥炭の香りへの敬意も示されている。
コーズウェイコースト・ウイスキーレビューズや複数の専門家レビューでは「スパイシーさとフルーツ、マジパンとトーストナッツの複雑さ」が高く評価されており、シングルモルト・スノブでは「アイルランドのポットスチルを語る上で欠かせない一本」と称されている。ウイスキーベースなど主要データベースでも安定した評価が寄せられており、ガルウェイという地域のアイデンティティを体現する銘柄として認知を高めている。
テイスティングノート
香り
赤系ベリーのジャミーさとマラスキーノチェリーの甘酸っぱいアロマが前面に出て、続いてルバーブのタルトな香りとマジパンのリッチさが広がる。24.5%のピーテッドカスク由来のほのかな泥炭がバックグラウンドに漂い、深みを加えている。
味わい
口の中ではボルドー樽由来の赤ベリーの豊かな甘さとポットスチル特有のスパイシーさが拮抗する。シナモンとナツメグ、トーストナッツとアーモンドが広がり、ピーテッドカスクのスモーキーさがアクセントとして機能している。
余韻
ウォームスパイスとドライハーブが続き、ピーテッドウイスキー樽由来のかすかな泥炭が余韻に独特の深みを加える。長く複雑な後味で、ガルウェイのコネマラを思わせる土地の個性が最後まで感じられる。
酒
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