マルスモルテージ 3プラス25 28年は、マルスウイスキーの歴史において最も重要なボトルの一つ。鹿児島県と山梨県で3年間初期熟成を経たモルト原酒を、長野県のマルス信州蒸溜所(現マルス駒ヶ岳蒸溜所)でさらに25年間追加熟成——合計28年の超長期熟成を経て、2012年に3,800本限定で瓶詰めされた。アルコール度数46度、700ml、税込16,500円。商品名の「3+25」はこの二段階熟成プロセスに由来する。
World Whiskies Awards(WWA)2013でワールドベスト・ブレンデッドモルト(世界最高賞)を受賞。IWSC 2012では最優秀銀賞(スピリッツ部門)、WWA 2012でも金賞を獲得しており、マルスウイスキーを国際的な評価舞台に押し上げた歴史的ボトルである。鹿児島の温暖な気候で始まった熟成が、信州の冷涼な環境で四半世紀をかけて円熟するという「風土のリレー」が生み出した味わいは、「爽やかで奥深いウィスキー」「長熟ジャパニーズだけが纏うことのできる独特で深みのある樽香」と評される。レビューでは87点(Kawasaki Point)、7.7/10.0(HIDEOUT CLUB)、4/5星(DRINKERS LOUNGE)と軒並み高評価。16,500円という定価は28年熟成の国産モルトとしては驚異的なコスパであったが、現在は生産終了しプレミア価格で取引されている。
テイスティングノート
香り
ドライフルーツを思わせる甘く濃密な香り——完熟メロン、オレンジ、バニラアイスクリーム。甘くふくよかな香り立ちの中に、木の酸味とスパイシーさがアルコールに乗る。木造校舎と砂煙、川魚の燻製のような独特のニュアンスも。28年の長期熟成が生み出す複雑で奥深いアロマ。
味わい
度数相当の穏やかな口当たりから、香り以上に濃密な味わいが広がる。メロンの甘さが凝縮し、バニラ、砂糖漬けオレンジ(オランジェット)、ミルクチョコレートの甘美なフレーバー。甘いウッディネスと穏やかな渋みがボディに厚みを与え、爽やかな夏の果実の甘みと麦芽のうまみが調和する。
余韻
変化に富んだ長い余韻。香味要素が継ぎ目なく入れ替わり、トリークル系の甘さからマチュアなモルトの複雑さへと変化する。最後はわずかなドライさと乾いた木材を思わせる穏やかな渋み。世界最高賞にふさわしい、非常に心地よく品格のあるフィニッシュ。
酒
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