メーカーズマーク カスクストレングスは、2014年に限定リリースとして初登場し、その後レギュラーラインナップに加わったバレルプルーフ・バーボンである。メーカーズマーク蒸留所がその歴史上初めて樽出し原酒をそのままボトリングした製品として大きな注目を集めた。加水を一切行わないため、バッチごとにアルコール度数が異なり、通常54〜57%の範囲でリリースされる。
メーカーズマークの創業者ビル・サミュエルズ・シニアが1950年代に確立した冬小麦を使用するウィーテッド・マッシュビル(トウモロコシ70%、冬小麦16%、大麦麦芽14%)をそのまま踏襲しつつ、樽出しの高いアルコール度数がもたらす凝縮された風味が最大の特徴である。通常のメーカーズマーク(45%)では感じにくい樽由来のキャラメルやバニラの深みが一段と強調されている。
メーカーズマーク蒸留所はケンタッキー州ロレット近郊のスターヒルファームに位置し、アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されている。同蒸留所ではすべての樽を手作業で回転させる独自の熟成管理を行い、均一な品質を追求している。カスクストレングスはこの丁寧な工程を経た原酒を無濾過・無加水でボトリングすることで、蒸留所の個性を最も純粋な形で体験できる一本となっている。
バーボン愛好家のコミュニティでは「コスパ最強のバレルプルーフ・バーボン」として高い評価を得ており、米国での小売価格は約45ドル前後と手頃でありながら、より高価なバレルプルーフ製品にも引けを取らない品質を持つ。日本国内では正規品が7,000〜8,000円程度で流通しており、入手しやすいプレミアムバーボンとして人気が高い。
テイスティングノート
香り
濃厚なバニラ、焦がしキャラメル、赤いベリー系の果実香。オーク樽の香ばしさとともにシナモンやナツメグのスパイスが立ち上がる。加水すると蜂蜜やバタースコッチの甘い香りが前面に出る。
味わい
力強くリッチな口当たり。キャラメルソースを思わせる濃密な甘さが口いっぱいに広がり、続いてウッディなタンニンとブラックチェリーの風味が現れる。冬小麦由来のまろやかさが高いアルコール度数の刺激を包み込み、バランスの取れた厚みのある味わい。
余韻
ミディアムロングからロング。オークのスパイスとドライフルーツの甘みが交互に現れながらゆっくりと消えていく。最後にほのかなダークチョコレートのビター感が残り、心地よい温かさが長く持続する。
酒
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