レダイグ 10年(Ledaig 10 Year Old)は、マル島のトバモリー蒸留所が冬季に製造するピーテッドモルトを原料とした10年熟成シングルモルトで、トバモリー蒸留所のスモーキーな顔として知られる製品だ。同一蒸留所ながらアンピーテッドの「トバモリー」とは全く異なるキャラクターを持ち、アイランズのピーテッドモルトとして世界中の愛好家から注目されている。
レダイグ(Ledaig)はゲール語で「安全な港」を意味する言葉で、マル島のトバモリー港を表す地名に由来する。トバモリー蒸留所では1時期ピーテッドモルトの生産を中断していたが、愛好家の要望に応えてレダイグとして復活させた経緯がある。冬場にピーテッドモルトを仕込み、夏場にアンピーテッドのトバモリーを生産するという季節的な切り替えが行われている。
レダイグの製法上の特徴はフェノール値30〜35ppmというアイラ系に迫るピーティーさと、マル島固有の海の塩気・ミネラルが融合する点にある。バーボン樽での10年熟成によって、スモーキーさの輪郭が取れて適度な甘みとの調和が生まれており、10年という熟成年数がレダイグのスモーキーな個性をもっとも食べやすい形で提供している。
レダイグ 10年は2020年のスコティッシュ・ウイスキー・アワーズで受賞歴を持つ。姉妹品「レダイグ 18年」が2021年・2022年WWAでベスト・スコッチ・アイランズ・シングルモルトを受賞し、さらに2023年にThe Whisky Exchange主催のWhisky of the Yearを受賞したことで、レダイグブランド全体への国際的注目度が急上昇した。
ラインナップにおいてレダイグ10年は上位の18年への入口として、また手頃な価格でアイランズのスモーキーモルトを体験できるボトルとして推薦されることが多い。アイラ系ほど重くなく、しかし確かなスモーキーさを持つという「中間的なポジション」が、スモーキーウイスキーの新規開拓層に特に支持されている。
The Whisky Exchange傘下のメディア・Dramfaceによるレダイグ10年と18年の比較評価でも両者が高い評価を受けており、トバモリー蒸留所の世界的再評価の文脈の中でレダイグ10年も注目度が増している。日本でも専門バーでの取り扱いが増えており、「アイラに近いアイランズ」として新たなファン層を開拓している。
テイスティングノート
香り
ピートスモークと海塩のミネラル感が最初に来る。アイランズらしい磯の香りと潮風感が主体で、バーボン樽由来のバニラと黄桃の甘みが奥に控える。10年熟成によってピートの角が取れ、スモーキーさと甘みのバランスが取れてきている。
味わい
スモーキーな入り口から、海塩とミネラルのフレーバーが広がる。バーボン樽の甘みとバニラが中盤に加わり、スモークと甘みが絡み合う。アイランズらしい海の深みが全体を通じて存在感を示す。
余韻
中程度の長さの余韻。スモーキーな余韻が心地よく続き、海塩のミネラルが最後まで口に残る。アイランズのスモーキーモルトらしい余韻は、潮風を感じながら飲むような気分にさせる後口だ。
酒
💬0