久保田 萬寿は、新潟県長岡市の朝日酒造が醸す久保田シリーズの頂点に立つ純米大吟醸だ。1986年に「万物の寿を願う酒」というコンセプトのもと誕生し、誕生日・記念日・正月といった人生の特別な瞬間を彩るギフト日本酒として長年にわたり愛されてきた。
朝日酒造は1830年(天保元年)創業の老舗蔵で、新潟県産の食材にこだわった酒造りを続けてきた。「久保田」ブランドは1985年に誕生し、創業時の屋号「久保田屋」を冠した一般名詞のような名前がかえって印象的だと話題を呼んだ。萬寿は百寿・千寿に続くシリーズの筆頭として、蔵の最高技術を結集した製品として1986年にデビューした。
「萬寿(まんじゅ)」という名は「万物の寿(ことぶき)を願う」という縁起の良い言葉に由来する。日本語の「寿」が長命・めでたさを意味することから、贈り物として最上の縁起を込めたネーミングとなっており、贈答文化の中に深く根付いている。
久保田 萬寿は1986年の発売以来、バブル期の高級日本酒ブームをけん引し「幻の銘酒」として語られた時代もあった。その後も安定した品質と知名度により全国の百貨店・高級酒販店での定番ギフト日本酒として揺るぎない地位を維持し続け、40年近くにわたってシリーズ最高峰の座を守り続けている。
ラインナップにおいて萬寿は、久保田百寿(本醸造)・千寿(吟醸)・紅寿(純米吟醸)・碧寿(山廃純米大吟醸)といった銘柄が並ぶ中で、メインラインの頂点に位置する。2017年には限定品「久保田 萬寿 無濾過生原酒」が登場し、萬寿ブランドのプレミアム化がさらに進んでいる。
新潟の地酒として、また日本を代表するプレミアム日本酒として久保田 萬寿は国内外で高く評価されている。日本酒の国際展開が進む中で、久保田ブランドは海外の日本食レストランや高級ホテルでの取り扱いも増えており、世界市場での日本酒の地位向上に貢献している。
テイスティングノート
香り
落ち着いた上品な吟醸香が静かに広がる。熟した洋梨や白桃の果実感と蜂蜜のような甘み、米の旨みの繊細な香りが複層的に重なる。新潟淡麗の清涼感を感じさせる澄んだ印象だ。
味わい
まろやかでやや辛口の口当たり。上品な甘みと米の旨みが調和し、キレのある後半へとつながる。新潟らしい淡麗辛口のスタイルながら、長期低温熟成由来の深みとコクが十分に感じられる。
余韻
長くやさしい余韻が続く。旨みの余韻がゆっくりとフェードアウトし、最後は清涼感のあるドライな後口でスッキリと締めくくられる。余韻の中に品格と落ち着きがあり、特別な食事の締めに相応しい。
酒
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