キリンラガービールは1888年、まだビールが日本に広く普及していない時代に誕生した日本最古級のビールブランドである。ドイツから技術者を招き、本場の醸造技術を忠実に取り入れて生まれたこのラガービールは、以来130年以上にわたって日本人の「ビール像」を作り上げてきた。東洋の想像上の霊獣「麒麟(きりん)」を冠した名は、幸福と吉兆の象徴として選ばれ、ブランドの誕生から今日まで変わらずラベルに刻まれている。
現在の「キリンラガービール(赤ラベル)」は、1996年に生ビール化されたバージョンである。それ以前の熱処理ビールとしてのラガーに対し、非熱処理のフレッシュな味わいに刷新することで現代の消費者ニーズに応えた。一方、熱処理製法の伝統を愛する層に向けて「キリンクラシックラガー」という別ラインも展開されており、両者の味わいの違いがビール通の間で長年語り継がれている。赤ラベル缶(キリンラガービール)はアルコール度数5%で、ホップの存在感があるどっしりとした飲みごたえが特徴的。
製造工程では、約マイナス1℃という低温でじっくりと熟成させることにより、ホップの苦みと麦のコクを丁寧に引き出している。コクと苦みのバランスを両立しながらも飲み飽きしない設計がなされており、10年ぶりのリニューアルを経て「ホップの苦みはそのままに、よりバランスのとれた飲み飽きない味わい」への進化が図られている。日本のビールの歴史を体現するブランドとして、一般的なライトラガーが市場を席巻する現代においても確固たる支持基盤を持つ。
キリンラガービールは日本のビール文化において象徴的な存在であり、家庭の食卓から居酒屋、屋台、スポーツ観戦まであらゆる場面で親しまれてきた。「ビールといえばキリン」という時代を長く牽引してきたブランドとして、日本のビール史における影響は計り知れない。老舗デパートや料亭でも定番として使われ続けており、格式と安心感を兼ね備えたブランドイメージは今も健在である。
赤ラベルの缶は350ml・500mlが主力で、缶のデザインは歴史的な麒麟ラベルを踏襲しつつモダンに洗練されている。1888年からの長い歴史を背景に持ちながら、現代の飲み手にも訴求できるフレッシュな生ビールとして今日も市場に存在感を示している。幅広い料理との相性の良さから、和食・洋食・中華問わず食中酒として幅広く愛されている。
テイスティングノート
香り
ホップの爽やかな苦みを伴う香りが前面に立ち、麦芽由来のすっきりした甘みが続く。僅かな穀物系アロマと共に、ラガービール特有のクリーンでシャープな印象を与える。
味わい
口当たりはしっかりとしており、ホップの苦みと麦のコクが同時に展開される。どっしりとした飲みごたえがありながら炭酸のキレが後半を引き締め、「飲みごたえのある生ビール」という印象を体現する。
余韻
ホップの苦みが程よく残りつつも後味はすっきりとクリーン。余韻はあまり長くなく、次の一口へとスムーズに移行できる爽快感がある。食事との相性が良く、料理の味わいを邪魔しないバランスの取れたフィニッシュ。
酒
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