甲子 純米は、千葉県印旛郡酒々井町に蔵を構える飯沼本家が手がける定番の純米酒である。千葉県産の酒造好適米「総の舞」を使用し、下総台地の良質な地下水で醸されるこの純米酒は、千葉の地酒としてのアイデンティティを大切にした一本だ。「甲子(きのえね)」のブランド名は、創業年の干支にちなんでおり、1660年代からの歴史を受け継いでいる。
飯沼本家は350年以上の歴史を持つ千葉県最古級の酒蔵のひとつで、成田空港にも近い酒々井の地で酒造りを続けてきた。「総の舞」は千葉県が独自に開発した酒造好適米で、この米を使用することで千葉の風土を酒に反映させている。純米酒はすっきりとした辛口仕上げながらも、米の旨みが程よく感じられるバランスの良い味わいで、毎日の食卓に寄り添える食中酒として設計されている。千葉の房総料理や醤油文化との相性も考慮された、地域に根ざした日本酒だ。
テイスティングノート
香り
穏やかな米の甘い香りが広がり、続いてほのかなリンゴと白い花の繊細な香りが漂う。全体として落ち着いた控えめなアロマで、食事との調和を重視した設計が感じられる。
味わい
すっきりとした口当たりから、総の舞由来のクリーンな米の旨みが広がる。中盤にシャープな酸味が切り込み、辛口設計のキレの良さを見せる。後半にかけて穏やかなミネラル感と微かなほろ苦さが複雑さを添え、全体として端正でバランスの取れた味わいだ。冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめる懐の深さがある。
余韻
短めだがクリーンな余韻。米のふくよかな旨みがほのかに残り、最後にドライな酸味と微かなミネラルがすっきりと後味を締める。食中酒としての汎用性の高さを感じさせるフィニッシュだ。
酒
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