キルベガン シングルグレーンは、1757年創業という世界最古の蒸留所ライセンスを持つキルベガンブランドのシングルグレーン表現であり、アイルランドのウイスキー文化の深みを現代に伝える一本だ。実際の蒸留はアイルランド北部ダンドーク(Co. Louth)に位置するグレートノーザン蒸留所で行われている。キルベガンブランドは2011年にクーリー蒸留所とともにビーム社(現ビームサントリー)に買収され、現在はその傘下でアイリッシュウイスキーの多様なポートフォリオの一翼を担う。
原料はトウモロコシ94%とモルト大麦6%というシンプルな構成。コラムスチルで2回蒸留することにより、スコッチのグレーンウイスキーに比べてより軽量かつクリーンなスピリッツが生まれる。これをアメリカンバーボンの使用済み樽で最低4年間熟成させることで、樽由来のバニラ・キャラメル・バタースコッチのフレーバーを丁寧に吸収する。アイリッシュウイスキーの伝統である3回蒸留を採用するブランドが多い中、2回蒸留にこだわることでスピリッツ本来のキャラクターを残しつつ、適度なオイリーさとフルーティさを持つ独自のスタイルを確立している。
グレーンウイスキーはモルトウイスキーの陰に隠れがちなカテゴリーだが、キルベガン シングルグレーンはグレーンウイスキー単体の表現として丁寧に作られており、そのなめらかさとアクセシブルな価格帯から、アイリッシュウイスキー入門者から熟練した愛好家まで幅広い層に支持されている。ストレート・ロック・ハイボールいずれの飲み方にも対応できる汎用性の高さも魅力のひとつだ。
テイスティングノート
香り
繊細で穏やかな立ち上がり。キャラメル、バニラ、クリーミーなトフィー、洋梨のドロップ、柑橘の皮のニュアンス。時間とともにほのかな麦の草っぽさとシナモンのスパイスが現れる。
味わい
バタースコッチとキャラメルの甘みが主体で、バーボン樽由来のバニラとココナッツが重なる。オレンジピール、ポーチドペアー、新鮮なジンジャーが複雑さを添える。予想以上にボディがある。
余韻
温かみのある余韻で、オーク・チェリー・バニラが穏やかに続く。スパイシーさがかすかに残り、グレーンウイスキーとしては長めのフィニッシュ。
酒
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