季の美 勢(SEI)は、京都蒸溜所が手がけるネイビーストレングスの京都ドライジンである。京都蒸溜所はジャパニーズウイスキーのインポーター「ナンバーワン・ドリンクス社」の共同創業者デイヴィッド・クロールとマルシン・ミラーが2015年に設立した、日本初の本格的なクラフトジン専業蒸溜所だ。蒸留を担うヘッドディスティラー、英国人のアレックス・デイヴィーズが80種以上の日本原産ボタニカルを試験した末に11種を厳選し、2016年にフラッグシップ「季の美(KI NO BI)」を発売。日本初の本格ドライジンとして市場に登場し、わずか3年で国内のクラフトジン蒸留所がゼロから24か所へと急拡大するきっかけを作った。
「勢(SEI)」は日本語で「力・勢い」を意味し、2018年3月に日本国内向け7,500本限定でリリースされた。通常の季の美が45.7%ABVであるのに対し、勢は54.5%ABVのネイビーストレングスで瓶詰めされる。英国海軍の伝統に基づく「火薬が濡れても引火する最低限度のアルコール度数」という歴史的な基準に準拠した力強いジンだ。ボタニカルはオリジナル季の美と同じ11種——ジュニパーベリー、京都産黄柚子、広島産レモン、宇治産玉露、木の芽(山椒の芽)、木曽ヒノキ、赤シソ、竹の葉、生姜、アイリス根——だが、高アルコールでの最適なバランスを得るために配合比率が再調整されている。
製法上の最大の特徴は「分別蒸留・後混合」方式である。6つのカテゴリー(ベース・シトラス・ティー・ハーブ・スパイス・フローラル)に分類したボタニカルを個別にライススピリット(米焼酎)に漬け込み、それぞれを個別に蒸留した後にブレンドする。ベーススピリットに米焼酎を採用することで「甘みとクリーミーな口当たり」を実現し、割り水には京都・伏見の月桂冠の酒蔵から汲み上げた350年の歴史を持つ井戸水を使用。この伏見の水が「甘さ、清潔感、テクスチャーの豊かさ」をもたらし、京都ならではのテロワールを反映している。
テイスティングノート
香り
スパイシーなパインとジュニパーが力強く前面に立ち、柚子とレモンシャーベットのフレッシュなシトラスが続く。フレッシュな根生姜のピリッとした刺激も明瞭で、オリジナル季の美より一段階力強く、ジュニパーのリジン系の香りが際立つ。複雑なブルーベリーを思わせるノートも潜む。
味わい
54.5%のネイビーストレングスならではの濃厚な口当たり。黒茶を思わせる渋みとともに、ジュニパーと柑橘が強く主張する。パイニーなジュニパーが先導し、後から柚子・レモンのフレッシュな柑橘とひのきの木質感、山椒のしびれる辛さが続く。米焼酎ベースのクリーミーさが全体を包み込む。
余韻
長いパイニージュニパーの余韻に爽やかな柑橘とほのかな生姜が残る。高アルコールならではの力強さが心地よい温かみとなって持続する。ジン&トニックやマティーニで真価を発揮する。
酒
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