鶴齢 特別純米 五百万石は、新潟県南魚沼市の青木酒造が醸す看板銘柄のひとつである。新潟を代表する酒造好適米・五百万石を55%まで磨き、巻機山系の雪解け水を仕込み水に使用。南魚沼の豪雪が育む清冽な軟水と、厳寒期の低温発酵が生む端正な味わいが魅力だ。
青木酒造は1717年(享保2年)の創業で、300年以上の歴史を誇る新潟県内でも指折りの老舗蔵。南魚沼は日本有数の豪雪地帯であり、冬季には3メートルを超える積雪に覆われる。この厳しい自然環境が天然の冷蔵庫となり、酒造りに最適な低温環境を提供する。蔵の代表銘柄「鶴齢」は、鶴が千年の寿命を全うするように末永く愛される酒であれという願いを込めて名付けられた。
新潟の酒といえば淡麗辛口のイメージが強いが、鶴齢はやや旨口に寄せたバランスが特徴。五百万石の軽やかな甘味を活かしつつ、しっかりとした酸味と旨味を共存させた味わいは、魚沼産コシヒカリの産地らしい米の豊かさを感じさせる。冷酒でも燗でも楽しめるが、特にぬる燗(40℃前後)にすると米の旨味がふくらみ、一層の深みが生まれる。
テイスティングノート
香り
穏やかで落ち着いた香り。炊きたてのご飯やお餅を思わせるふくよかな米の香りを基調に、ほのかに青りんごや梨のフルーティさが添えられている。新潟の酒らしいクリーンで上品な印象。
味わい
柔らかな口当たりから始まり、五百万石らしい軽快な甘味と旨味が穏やかに広がる。中盤から心地よい酸味がアクセントとなり、味わいに輪郭を与える。淡麗一辺倒ではなく、しっかりとした米の旨味を残しているのが鶴齢の個性。後半にかけてほどよい辛口のキレが現れ、全体のバランスを整えている。
余韻
中程度の余韻で、米の旨味の残り香とともにすっきりとフェードアウト。最後にほのかな渋味が味わいを引き締め、次の料理への期待を高めてくれる。燗にするとこの余韻がさらに豊かになり、じんわりとした温かみが長く続く。
酒
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