十四代 特別本醸造 角新本丸 秘伝玉返しは、山形県村山市・高木酒造が醸す十四代シリーズの特別本醸造酒。一般に「十四代 本丸」として知られるこの酒の最大の特徴は、通常の醸造アルコールではなく「秘伝玉返し」と呼ばれる自家製蒸留酒を添加している点にある。十四代自身の酒粕や酒もろみを蒸留して得た玉返しを使用することで、他の特別本醸造とは一線を画す独自の品質を実現している。
「秘伝玉返し」という製法は江戸時代から伝わる日本酒の伝統技法のひとつで、高木酒造はこれを現代に復活・洗練させた。市販の醸造アルコールとは異なり、十四代のもろみ由来の玉返しを加えることで、旨みや香りの連続性が保たれ、添加酒とは思えない一体感ある味わいが生まれる。精米歩合55%・五百万石という素材から、純米大吟醸を凌ぐとも評される品質が生まれる背景にはこの製法がある。
1990年代後半に15代目・高木顕統が「十四代」ブランドを確立する中で、角新本丸はシリーズの入口として設計された。しかし現在では正規特約店での入手すら困難で、二次流通では定価の5〜10倍での取引が常態化。「安価な十四代の入門酒」というイメージは過去のものとなり、今や全シリーズ中でも屈指の人気を誇る。
テイスティングノート
香り
洋梨・マスカット・白桃を思わせる華やかな吟醸様の果実香。秘伝玉返しによりアルコール添加の不自然さがなく、十四代のもろみ由来の香りが一体感をもって立ち上がる。
味わい
五百万石由来の穏やかな旨みに、秘伝玉返しが溶け込んだことで生まれる軽快でキレのある飲み口。芳醇旨口スタイルが特別本醸造という骨格の中に見事に宿り、重さはなく旨みだけが口中に広がる。
余韻
旨みと甘みの余韻が続き、さわやかにフィニッシュ。秘伝玉返しの一体感ある設計により、後味までクリーン。特別本醸造の域を大きく超えた完成度。
酒
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神の雫と呼びたい究極の甘旨い酒
特上寿司や手羽との相性も抜群で、食中酒としても申し分ありません。神の雫というワインの漫画がありますが、この日本酒こそ正に「神の雫」と呼びたい一本です。