上喜元 純米吟醸 超辛 完全発酵は、山形県酒田市に蔵を構える酒田酒造が醸す、完全発酵という醸造技術を核に据えた個性的な一本である。酒田酒造は昭和21年(1946年)、酒田市内の5つの蔵元が合併して誕生した。「西の堺、東の酒田」と称された北前船の湊町・酒田が育む食文化の中で生き続けてきた蔵だ。仕込み水は鳥海山系の伏流水を使用し、1500石程度の製造石数のうちほとんどが吟醸以上の特定名称酒という品質重視の方針を貫いている。
上喜元の最大の特徴は使用する米の品種の多様さにある。出羽燦々・美山錦・山形4号・出羽の里から山田錦・五百万石・雄町まで幅広く取り揃え、それぞれの個性を最大限に引き出す吟醸造りを追求している。「超辛 完全発酵」は、もろみを極限まで発酵させて液中の糖分をほぼゼロに近い状態まで落とす手法で醸される。使用米は五百万石を精米歩合50%に磨き、鳥海山系伏流水で低温発酵させることで雑味のない澄んだ酒質を作り上げている。
日本酒度+15という国内清酒の中でも屈指の超辛口数値を実現しながら、ただ辛いだけでなく米の旨味がきちんと感じられる点が高く評価されている。冷酒では切れ味が際立ち、燗酒にすると旨味が膨らむという二面性を持つ。刺身・塩焼き・天ぷらなどあっさりとした和食から濃い目のおつまみまで幅広く合わせられる食中酒として、山形を代表する辛口銘柄の地位を確立している。
テイスティングノート
香り
柑橘系の爽やかな吟醸香が穏やかに広がる。開栓するとほのかなマスカット的な果実感も。主張しすぎない清潔感のある香り。
味わい
滑らかな口当たりで五百万石の淡麗な旨味がスイスイと喉を駆け抜ける。超辛口ながらオブラートに包んだような旨さがあり、酸味は抑えられてサラリと軽快。
余韻
スパッと切れる凄まじいキレの良さ。後口に甘味や苦味が残らない超ドライな余韻。燗にすると旨味が膨らみ表情が変わる。
酒
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