五十嵐酒造(埼玉県飯能市)の特約店限定直汲みシリーズ「五十嵐」の中で、現在最も注目を集めているのが「雄町 純米吟醸 無濾過生原酒 直汲み」だ。酒造好適米の源流とも称される「雄町」を岡山県産100%使用し、55%精米の純米吟醸に仕上げた一本。アルコール度数17%と力強く、日本酒度+2・酸度1.8という骨格のあるスペックが、雄町米の豊かな旨味を余すところなく引き出している。
「雄町」は明治時代に岡山県で発見・選抜された日本最古の系統を持つ酒造好適米で、山田錦や五百万石など多くの銘柄酒米の親品種にあたる。心白発現率が高く溶けやすい一方で栽培が難しい品種として知られ、「雄町サミット」が開かれるほど日本酒ファンから愛着を持たれている。雄町由来の骨太な旨味と複雑な香りは、他の酒造好適米にはない独自の個性を持ち、五十嵐酒造の仕込み技術がその特性を最大限に引き出している。
五十嵐酒造は明治30年(1897年)創業の老舗蔵で、奥秩父の天然地下水を仕込み水に用いた軟水造りを得意とする。紫色のラベルが印象的なこの「雄町」は、特約店の細野商店(埼玉県上尾市)を通じて提供される直汲み限定品。SAKETIMEでは蔵全体として4.19点(424件)の高評価を獲得し、日本酒総合ランキング63位・埼玉県内3位の実績を誇る五十嵐酒造が醸す、現行ラインナップの中でも特に人気を集める銘柄だ。
テイスティングノート
香り
雄町米特有の骨太でふくよかな香り。黄桃や完熟メロンを思わせる甘い果実香が広がり、直汲み由来のフレッシュな発酵アロマが全体を引き締める。
味わい
口に含むと、雄町ならではの深みのある旨味が力強く展開する。17%のアルコールが旨味を後押しし、日本酒度+2のほどよい辛口と酸度1.8の豊かな酸がバランスを整える。直汲み特有の微発泡がボリューム感ある味わいに軽やかな表情を加える。
余韻
余韻は長く、雄町の複雑な旨味がゆっくりと収束していく。後口にかすかな苦みと酸が残り、全体を引き締める。力強い食中酒としての完成度が高く、骨のある料理との相性が抜群だ。
酒
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