2000年代初頭、経営難によって廃棄の危機に瀕した約400樽もの原酒を前に、肥土伊知郎は「この原酒を無駄にしてはならない」という一念から保管先を探し、笹の川酒造(福島)への保管を実現させた。2004年にベンチャーウイスキーを設立し「イチローズモルト」ブランドの歩みが始まり、2007年には埼玉県秩父市に自社蒸溜所を開設。標高300〜400mの山間の澄んだ空気と清冽な水に恵まれた秩父蒸溜所で、独自の製法と国産水楢(ミズナラ)樽の活用による秩父スタイルのウイスキー造りが始まった。
「モルト&グレーン ホワイトラベル」は2011年に発売された、世界各地の蒸溜所の原酒を独自にブレンドした「ワールドブレンデッドウイスキー」である。9ヵ所のモルト蒸溜所と2ヵ所のグレーン蒸溜所の原酒を使用し、「世界五大ウイスキーの産地をすべてブレンドに取り込む」という野心的なコンセプトで開発された。ノンチルフィルタード・ノンカラーという製法で香味成分を損なわずに世界の個性を繋ぎ合わせ、設立間もない小規模蒸溜所がブレンダーとしての技術と哲学を世界に問うた意欲作だ。
テイスティングノート
香り
レモンピールやオレンジピールなど爽やかな柑橘系の果実香に始まり、はちみつのような上品な甘さと洋梨のフレッシュなニュアンスが重なる。
味わい
スイートで軽やかな中に複雑で奥深い多様な原酒のハーモニーがあり、ほのかなスパイスとピート香が心地よいアクセントを加える。
余韻
コクのある甘みがゆっくりと消えていく、柔らかく整った余韻が続く。
酒
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