常陸野ネストビールを生み出した木内酒造は1823年(文政6年)創業の老舗蔵元で、日本酒「菊盛」の醸造で長い歴史を重ねてきた。1994年の地ビール醸造解禁を受けて1996年にビール事業へ参入し、カナダから醸造機械を輸入して蔵の一部を改造した醸造施設を立ち上げた。「常陸野ネスト」という名称は、創業地である茨城県那珂市鴻巣(こうのす)にちなんでいる。「ネスト(Nest)」は「巣」を意味し、鴻巣という地名が持つ「鳥の巣」のイメージと重なることから、この地から世界へ羽ばたくビールを造りたいという思いが込められている。
トレードマークのフクロウは、単なるかわいらしいキャラクターではなく、「常陸野ネスト」のブランドコンセプトを体現するシンボルだ。海外の飲食店やバーで「フクロウのビールをくれ」と注文する客が絶えないほどの認知度を誇り、世界40カ国以上で親しまれる現在では、そのシルエットだけで「日本のクラフトビール」を想起させるほどの文化的アイコンとなっている。ホワイトエールはそのラインナップの中でも特に国際的な評価が高く、ワールドビアカップ2度の金賞、イギリス最大のビールコンテスト金賞・チャンピオン賞、ベルギーITQI品質コンテスト最高位三ツ星金賞など、世界各地のコンテストで頂点を獲得し続けている。
ホワイトエールはベルギー発祥の小麦ビールスタイルを基軸としながら、オレンジピール・コリアンダー・ナツメグというスパイスと果実の組み合わせが独自の個性を生み出している。淡い白濁色の美しい外観と、小麦麦芽特有のやわらかな口当たりは、スコッチやバーボンとは異なる、ビール本来の多様性と繊細さを世界に示した。木内酒造が有する日本酒醸造の技術的背景と、海外のクラフトビール文化への深い理解が融合した一本として、日本のクラフトビール史における重要な達成点として位置づけられる。
テイスティングノート
香り
オレンジピールとコリアンダーの爽やかな柑橘・スパイス香が広がり、小麦麦芽の優しい甘みとナツメグのほのかなスパイスが続く。
味わい
小麦麦芽ならではのまろやかでクリーミーな口当たり。柑橘の爽やかさとスパイスのアクセントが交わり、軽やかな酸味が全体を引き締める。
余韻
スパイスの余韻が穏やかに続き、すっきりと消えていく清涼感が後口を心地よく満たす。
酒
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