ハイランドパーク 25年は、スコットランド最北の蒸留所のひとつであるハイランドパーク蒸留所が誇るプレステージ・シングルモルトである。酒齢25年以上のファーストフィルおよびリフィルのシェリー樽で熟成された原酒を厳選してヴァッティングし、ほぼ樽出しに近い高いアルコール度数でボトリングされる。蒸留所の位置するオークニー諸島の厳しい北海の気候がもたらす独特の熟成環境が、この長期熟成モルトに他では得られない複雑さと深みを与えている。
ハイランドパーク蒸留所は1798年の創業以来、オークニー産のアロマティック・ピートを使った独自のフロアモルティングを続けている。このヘザー(ヒース)を多く含むピートが、一般的なアイラ産ピートとは異なる花のようなスモーキーさを生み出す。25年の長期熟成を経ることで、この繊細なピート香はシェリー樽由来のドライフルーツやスパイスと完全に融合し、ハイランドパークの「甘さ・スモーキーさ・複雑さ」という三位一体の特性が極限まで高められた表現となっている。
かつては1万円台で入手可能だった時期もあったが、近年のシングルモルト市場の高騰とともに価格は大幅に上昇し、現在は9万〜11万円程度で取引されている。流通量も減少傾向にあり、見かけることすら難しくなりつつあるが、その分だけ希少性と所有する喜びは増している。ハイランドパークのラインナップにおいて、12年がブランドの入口、18年がブランドの真髄とすれば、25年はブランドの到達点といえる存在である。
Jim Murray氏は著書「Whisky Bible 2024」において本品に96点を付与し、「ここ数年で最高のHP 25」「今年最も改善されたボトリングのひとつ」と絶賛した。Whisky Advocate誌でもインポートウイスキー部門の賞を獲得しており、世界のウイスキー評論家から一貫して高い評価を受け続けている銘柄である。
テイスティングノート
香り
シェリー樽由来のレーズン、ドライアプリコット、イチジクの濃厚なドライフルーツ香が主軸。ヘザーハニーの甘い花の香り、ダークチョコレート、紅茶のタンニンが重なり合い、奥にはオークニー特有の優雅なピートスモークが静かに漂う。時間とともにバニラ、シナモン、オレンジピールのアクセントが現れる。
味わい
リッチで重厚なボディ。口に含むとシェリー樽のフルーツケーキのような甘みが広がり、続いてヘザーピートのスモーキーさとブラックペッパーのスパイスが層をなす。ダークチョコレート、エスプレッソ、牧草の風味が中盤に現れ、驚くほど複雑で奥行きのある味わいを形成する。
余韻
エクストラロング。ドライフルーツの甘み、オーク、ヘザーハニーが幾重にも折り重なりながら非常にゆっくりと消えていく。最後にほのかなピートスモークとシナモンの温かみが口の中にいつまでも残り、25年の歳月が紡いだ複雑さを余韻として噛みしめることができる。
酒
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