響21年は、1989年にサントリー創業90周年の記念ボトルとして誕生した「響」シリーズの中核を担う存在だ。21年以上熟成した山崎・白州・知多の原酒を職人のブレンド技術で一つに束ね、長期熟成由来の深みと複雑さをいかんなく発揮するよう設計されている。
マスターブレンダーが追求してきたのは、長期熟成の重厚さの中にも日本的な繊細さと上品さを同居させること。シェリー樽・ミズナラ樽・バーボン樽それぞれの個性を調和させることで、単一の樽では生まれない多層的な香味が生まれる。
「響」という命名は音楽の共鳴・ハーモニーから着想された。ボトルには和の美学を象徴する24面のカットが施され、二十四節気を体現している。長期熟成ゆえの琥珀色の深さと、濡れたような光沢は「飾れるウイスキー」としても珍重される。
響21年は1989年の発売以来、世界の酒類コンペティションで最高賞を連発してきた。ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)では2010年・2011年・2013年・2019年にワールドベスト・ブレンデッドウイスキーを受賞。ISCでも2018年に部門最高賞「トロフィー」を獲得するなど、まさに常勝の記録を誇る。
ラインナップの中では、JAPANESE HARMONYより上位に位置し、限定品の響BLOSSOM HARMONYや終売となった響30年などと並んでサントリーのブレンド技術の到達点を示す。価格高騰が著しく、定価購入は抽選が主流となっている。
WWA2019の審査員は「バランスの良い傑作。シェリー、アカシア、カカオ、皮革、熟した果実が複層的に絡む」と評した。ウイスキー評論家ジム・マーレイも高スコアを付けており、世界のウイスキー愛好家から「日本が誇るブレンデッドの究極形」として敬意を持って語られる存在だ。
テイスティングノート
香り
乾燥したバラと熟したオレンジの上品な花果実香が先行する。シェリー樽由来のドライフルーツとほのかなチョコレートの甘みが奥から漂い、ミズナラの独特な伽羅のような木香がアクセントを加える。
味わい
柔らかく甘みのある入り口から、プルーン・無花果・ミルクチョコレートの豊かな風味が広がる。全体のバランスが極めて整っており、スパイスとオーク由来のビターが穏やかに支える。
余韻
長く、複雑な余韻が続く。甘いドライフルーツとミズナラのスパイシーさが交互に顔を出し、最後にはわずかな煙とほろ苦いチョコレートが静かに消えていく。
酒
💬0