日本固有のブドウ品種「甲州」の可能性を世界に証明したボトルとして、「グレイスワイン グリ・ド・甲州」はワイン史にその名を刻んでいる。1923年(大正12年)に山梨・勝沼で創業した中央葡萄酒の4代目社主・三澤茂計氏がフランス・アルザスを訪れ、ピノ・グリの白く輝く果皮が生み出す複雑な風味に魅了されたのが1999年。帰国した三澤氏はすぐに甲州ブドウへの応用を試みた。果皮ごとの醸し発酵(スキンコンタクト)という当時の日本ワイン界では革新的な手法により、薄紅みがかった甲州の果皮から「グリ(灰色・グレイ)」の色彩感とともにテクスチャーと複雑さを引き出すことに成功した。
名称「グリ・ド・甲州」はフランス語の「Gris de(…のグレイ)」に由来し、甲州ブドウの独特な薄赤みがかった果皮の色を指す。ラベルには日本的な美意識と甲州ワインのアイデンティティが凝縮されており、瓶を手に取った瞬間から、このワインが只者ではないことを語りかけてくる。
受賞歴は日本ワイン史を塗り替えるほど輝かしい。2011年のジャパン・ワイン・チャレンジでは2010年ヴィンテージがトロフィー最優秀甲州賞を獲得。続く2013年のDecanter Asia Wine Awardsでは2012年ヴィンテージがアジア初のゴールドメダル・リージョナルトロフィーをという二冠を達成し、「甲州は国際品種に匹敵する」という評価を世界に広めた。2016年のDecanter Asia Wine Awardsではプラチナ賞とベスト・イン・ショー(最高賞)を受賞し、アジアのワインコンペティションにおけるグリ・ド・甲州の存在感はさらに高まった。Wine Enthusiast誌では92点というスコアが付けられており、国際的なワイン評論家からも継続的に高い評価を受け続けている。
2014年には姉妹品「キュヴェ三澤明野甲州2013」がDecanter World Wine Awardsで日本ワイン史上初のゴールドメダルを受賞。グリ・ド・甲州が切り開いた道の延長線上に、この偉業がある。現在グレイスワインは世界40か国以上に輸出されており、甲州品種のリーディングブランドとして日本ワインの格を世界に示し続けている。5代目醸造責任者・三澤彩奈氏(三澤茂計の娘)が受け継いだ製造哲学「スモール・イズ・ビューティフル」のもと、グリ・ド・甲州は毎年進化を重ね、愛好家に驚きをもたらし続けている。
テイスティングノート
香り
柑橘(グレープフルーツ、夏みかん)を中心に、白桃・梨のようなフルーティさ、ほのかな白い花のニュアンス。スキンコンタクト由来の微細なスパイス香とミネラル感が奥行きを加える。
味わい
爽やかな酸を軸に、ミネラルの輪郭がしっかりと感じられる。甲州種特有の渋みが口中に上品なテクスチャーを与え、じんわりとした旨みが追いかけてくる。白ワインとオレンジワインの中間のような、この品種だけが持つ独特の厚みがある。
余韻
キレが良く、すっきりとした後味でありながら余韻は長い。ミネラルとほのかなハーブが長く持続し、飲み終えた後に再びグラスを持ちたくなる。食中酒として和食・魚料理との相性が特に高い。
酒
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