元老院は、鹿児島県肝属郡錦江町の白玉醸造が造る芋麦ブレンド焼酎である。芋焼酎と麦焼酎をそれぞれ別々に蒸留・熟成した後、独自の比率でブレンドするという手法で造られている。芋の甘味と麦のすっきり感を両立させた、白玉醸造ならではのユニークな一本だ。
白玉醸造は1904年(明治37年)創業の家族経営の小規模蔵。代表銘柄「魔王」の知名度に比べて蔵自体は控えめな佇まいを保っており、鹿児島県南部の穏やかな気候の中で丁寧な酒造りを続けている。蔵では芋焼酎「魔王」「白玉の露」、そしてこの「元老院」という3つのブランドを展開しており、それぞれが異なるコンセプトを持つ。
元老院は芋と麦のハイブリッドという珍しいカテゴリーに属する。芋焼酎からは甘味と深みのあるコクを、麦焼酎からはクリーンな飲み口とキレを受け継いでおり、単一素材の焼酎にはない複雑さが魅力だ。お湯割りでは芋の香りが前面に出て華やかに、ロックでは麦のすっきり感が際立ちシャープに、水割りではバランスよく両方の個性が楽しめる。飲み方によって表情が変わる焼酎として、食事のシーンを選ばない汎用性がある。
テイスティングノート
香り
芋焼酎由来の甘くふくよかな香りと、麦焼酎由来の香ばしさが共存する独特の香り立ち。焼き芋を思わせる甘い香りが主体だが、その奥に麦わらや穀物の軽やかな香りが漂い、全体として穏やかで親しみやすい印象。お湯を注ぐと芋の甘い香りがさらに華やかに立ち昇る。
味わい
口に含むとまず芋の甘味とコクが広がり、続いて麦の軽やかさが味わいをリフレッシュする。この切り替わりが元老院最大の特徴で、芋焼酎の「重さ」と麦焼酎の「軽さ」のいいとこ取りを実現している。アルコール感は穏やかで、25度という度数を感じさせないまろやかな飲み口。中盤からはかすかなミネラル感も感じられる。
余韻
中程度の余韻。芋の甘味の残り香と麦のキレが交互に現れながらフェードアウトし、口中をさっぱりとリフレッシュしてくれる。食事との相性も良く、特に和食や焼き鳥などの素朴な料理と合わせると互いを引き立てる。
酒
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