イーガンズ フォーティテュード(Egan’s Fortitude)は、1852年創業の歴史を持つP&Hイーガン社の5代目・6代目が復活させたイーガン・ウイスキー・カンパニーがリリースするシングルモルト・アイリッシュウイスキー。「Fortitude(不屈の精神・剛毅)」という名は、共同創業者ヘンリー・J・イーガンの強固な意志と行動力を称えて付けられた。ヘンリーはタラモア土地同盟の書記を務め、アイルランド独立運動の指導者チャールズ・スチュワート・パーネルと思想を共にし、1881年には強制法(Coercion Act)のもとで5週間投獄された人物でもある。
フォーティテュードの最大の特徴は、アイルランドではほとんど使われることのない希少な「ペドロ・ヒメネス(PX)シェリー樽のみ」で熟成させた独自のスタイルにある。PXシェリーは極めて甘口のデザートシェリーで、その古い木樽から染み出る濃厚な干しぶどう・イチジク・チョコレート・トフィの風味がシングルモルトに深く染み込んでいる。ブランド公式によれば「PXシェリー樽のみで熟成させたアイリッシュウイスキーはアイルランドで唯一」であり、この唯一無二の個性がイーガンズのラインナップの中でも際立つ存在感を生んでいる。
アルコール度数46%・ノンチルフィルタード・ノンカラーという本格仕様で瓶詰めされており、加水・フィルタリングによる風味の損失を最小化している。ノンチルフィルタードのため、寒い環境や加水時に軽い白濁(クモリ)が生じる場合があるが、これは風味成分が豊かに残っている証でもある。
受賞歴として、ニューヨーク インターナショナル スピリッツ コンペティション(NYISC)でダブルゴールドメダルを獲得しており、その重厚なフレーバープロファイルが審査員から高く評価された。Drinkhackerのレビューでは「PXシェリー由来の濃厚なシェリー感と、スモーキーなグリーンティー、ハニーデュー、ミルクチョコレートの独特な組み合わせが印象的」と評されている。Irishmalts.comでも好意的なレビューが掲載されており、シェリー系アイリッシュ好きに特に推薦されている。
ラインナップの中での位置づけはアイリッシュウイスキーの定番スタイルを超えた「実験的・個性派プレミアム」。エンデヴァーやコンヴィクションがブレンドとマルチカスクで複雑さを追求するのに対し、フォーティテュードはシングルカスクタイプのPXシェリー一点集中で重厚な個性を主張する。シェリー系ウイスキー愛好家やマッカランのシェリーカスクが好きな方に特にお勧めの一本だ。
テイスティングノート
香り
重厚なシェリーのアロマが主役。PXシェリー由来のレーズン、ダークフルーツ(プルーン、ダムソン)、マジパン、トフィの濃厚な甘みがたっぷりと広がり、蜂蜜とほのかなスモーキーなグリーンティーのアクセントが後を追う。
味わい
口当たりはリッチでオイリー。PXシェリーの甘みが全体を支配し、レーズン、干しイチジク、ダークチョコレート、コーヒーエッセンスがレイヤーを重ねる。中盤にほのかな黒胡椒とロースト感が加わり、スパイシーかつ甘美な複雑さを演出する。
余韻
長く余韻が続く。シェリー由来のシルキーで豊かなレーズン感が口に残り、ビターチョコレートとヘーゼルナッツのほのかな香ばしさが最後まで続く。余韻は重厚で長く、一口で十分に満足感が得られる。
酒
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