イーガンズ エンデヴァー(Egan’s Endeavour)は、イーガン・ウイスキー・カンパニーが2022年にリリースしたシングルモルト・アイリッシュウイスキー。「Endeavour(努力・挑戦)」という名はイーガン家の不断の挑戦精神を体現しており、バーボン樽・ヴァージンオーク(アメリカンオーク新樽)・オロロソシェリー樽・インペリアルスタウト樽という4種の全く異なる樽でそれぞれ個別に熟成した原酒をヴァッティング(混合)した意欲作だ。さらに一部原酒にはサブティルなピートの風味が加えられており、従来のイーガンズシリーズには見られない複雑な多面性を持つ。
ヴァージンオーク(新樽)はスコッチウイスキーではほとんど使われない樽で、アメリカのバーボン生産で使われる新樽と同様の強いタンニンと甘みをもたらす。インペリアルスタウト樽はクラフトビール由来の樽でロースト感・チョコレート・コーヒーのニュアンスを与える。この4種を組み合わせることで、「甘さ・スパイス・フルーツ・ロースト・スモーク」が共存する類まれなプロファイルが生まれている。アルコール度数46%・ノンチルフィルタード。
世界的な評価は目覚ましく、SIPアワードでダブルゴールドを獲得、サンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション(SFWSC)でもダブルゴールドを受賞している。さらに2023年のワールド ウイスキーズ アワード(World Whiskies Awards)ではブロンズメダルを獲得し、国際コンペへの安定した高評価が証明されている。A Scot on Scotchのレビューでは「ヴァニラシュガー、ジンジャーブレッド、ほっこりしたスパイス、レーズン入りモルトローフ、クリーミーなオーヴォルティーン、バニラオーク、穏やかなたき火の煙が複雑に調和する」と絶賛されている。
イーガン家の歴史はアイルランドの政治・社会史とも深く結びついている。1852年の創業から1968年の清算まで約116年の歴史を持つP&Hイーガン社は、ジェムソンなど名門ブランドのウイスキーを熟成・瓶詰めしていた実績があり、その伝統と現代的な実験精神がエンデヴァーというボトルに凝縮されている。ラインナップ内ではフォーティテュード(PXシェリー特化)とコンヴィクション(ブレンデッド10年)の中間的な個性を持つ、4種樽融合のシングルモルトという独自のポジションを占める。
スタウト樽由来のピーティーなアンダーカレント(底流)がウイスキー全体を貫き、飲むたびに新しい側面を発見できる複雑さが魅力。ニートで飲むと4種の樽の個性が一口ごとに変化し、ロックや少量加水でもさらに異なる顔を見せてくれる、探求心のある愛好家に特にお勧めの一本だ。
テイスティングノート
香り
ヴァニラシュガーとジンジャーブレッドの甘くスパイシーなオープニング。レーズン入りモルトローフ、クリーミーなホーリックス(麦芽飲料)、バニラオークが重なり、穏やかなたき火のようなスモーキーな余韻が静かに顔を覗かせる。
味わい
はちみつ、オーク、ほのかなクローブ。トフィとチョコレートのリッチな甘みにスタウト樽由来のロースト感が続き、ピートのアンダーカレントが全体を引き締める。甘みとスパイスと煙の三者が均衡したバランス感が印象的。
余韻
中〜長めで心地よい。スモーキーでスパイシーな余韻が最後まで残り、バニラとキャラメルの甘みが穏やかに後を引く。インペリアルスタウト樽由来のコーヒー・ビターチョコレートが静かに消えていく複雑な余韻。
酒
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