ドメイヌ・タケダ ベーリーA 古木は、タケダワイナリーの自社畑に残る樹齢約80年のマスカット・ベーリーA古木から造られるキュヴェである。これほどの高樹齢のベーリーAから醸造されるワインは、国内外を見渡しても他に類例がなく、日本ワイン界でも極めて特異な存在とされている。初リリースは2005年ヴィンテージ。
タケダワイナリーは1920年(大正9年)に山形県上山市で創業。蔵王連峰の麓に広がる自社畑は、昼夜の寒暖差が大きく水はけの良い扇状地に位置し、ブドウ栽培に適した環境を持つ。古木は長い歳月をかけて深く根を張り、テロワールのミネラルと複雑な風味をワインに与えている。
古木は若木に比べて収量が大幅に少なく、一粒一粒に凝縮された風味が宿る。12ヶ月間の樽熟成を経てボトリングされるこのワインは、通常のマスカット・ベーリーAのイメージを覆す深い味わいを持つ。若いベーリーAに見られるキャンディ的な甘さは控えめで、代わりにドライフルーツ、スパイス、土のニュアンスが現れる。
日本固有品種の古木からワインを造るという試みは、品種の真のポテンシャルを探求する意味でも重要な取り組みであり、日本ワインの新たな可能性を示している。
テイスティングノート
香り
ドライフルーツ、プルーン、干しイチジクなどの凝縮した果実香に、樽由来のスパイス、バニラ、ほのかな土のニュアンスが重なる。若いベーリーA特有のキャンディ的な甘さは控えめ。
味わい
ミディアムボディ。古木由来の凝縮感があり、味わいに深みと複雑さがある。ドライフルーツやスパイスのフレーバー、きめ細かなタンニン、適度な酸味が一体となって調和している。アルコール10.2%と軽めながらも、味わいの密度は高い。
余韻
余韻は意外なほど長く、スパイシーなニュアンスとミネラル感が持続する。古木の生命力を感じさせる、他のベーリーAとは一線を画するフィニッシュ。
酒
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